Facebookがユーザーの個人情報を150社以上に供給していたことが判明

The New York Times(以下、Times)が12月18日(現地時間)、Facebookが多数のパートナー企業に対して、ユーザーの個人情報を供給していたと報じている。報道はTimesが入手した数百ページに及ぶFacebookの社内文書と、関係者約50人へのインタビューに基づくもので、データを共有していた企業は150社以上。そのほとんどはオンライン小売店やエンターテイメントサイトを含むハイテク企業、自動車メーカー、メディア組織(The Timesを含む)などだという。アクセスできるデータの中には利用者本人が開示している以上のデータも含まれていた。
Timesの調査によると、Facebookは会員の個人データを共有するために150社以上の企業と特別な契約を結んでおり、以下のようなデータ供給が行なわれていたという。

Microsoftの検索エンジンである「Bing」は、同意なしに事実上すべてのFacebookユーザーの「友達の名前やプロフィール」を見ることができ、表示結果をパーソナライズすることができた。このパーソナライゼーション機能は発足時に大きな批判を浴び、2014年には中止されているはずだが、Timesによれば少なくとも2017年までは引き続きこのデータにアクセスできる状態にあったという。

NetflixとSpotifyには、Facebookユーザーのプライベートメッセージを読む権限が与えられていた。また、Amazonは、電子メールアドレスや電話番号を含む数億人のユーザーのデータにアクセスし続けていることが明らかになった。(この種の共有を数年前に止めたとの公式声明を出していながら、入手できる状態が継続されていた)

Yahooには、友人の投稿を含むFacebookユーザーのニュースフィードを、検索会社のホームページに表示する機能を付与しており、Yahoo側が2012年にこの機能を廃止したにもかかわらず、去年の時点では月に10万人近くのデータにアクセスできる状態だったという。

そしてAppleのデバイスでは、全ての情報共有を無効にするようアカウント設定を変更していたとしても、連絡先番号とカレンダーへのアクセスが許可されていたとのこと。

Facebookの個人情報取り扱いが問題視されたのは今回が初めてではない。つい先日も、公式ブログ「開発者ニュース」において、最大680万人の写真流出の可能性が公表されたばかりだ。Facebookの利用者は全世界で約22億人。個人情報の取り扱いにはもう少し気を使ってほしいものである。
The New York Times
URL:https://www.nytimes.com/2018/12/18/technology/facebook-privacy.html

Facebook「ニュースルームより」
URL:https://newsroom.fb.com/news/2018/12/facebooks-partners/
2018/12/20
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