ドイツでもiPhoneの販売差し止め判決。中国につづいてQualcommの特許侵害が訴えが認められる

ドイツ・ミュンヘンの地方裁判所が、12月20日(米国時間)、AppleがQualcommの保有する特許を侵害しているとして、iPhoneの販売差し止め命令を下した。12月10日の中国での差し止め命令に続く2件目の事案である。
Appleはこれを受けて、ドイツのApple Store 15店舗での「iPhone 7」と「iPhone 8」の販売を停止する。同社の最新モデル「iPhone XS」「iPhone XS Max」「iPhone XR」は引き続き販売され、「iPhone 7」と「iPhone 8」を含むすべてのiPhoneモデルについても、サードパーティーの小売業者を通して販売が続けられるという。Appleは、この判決に上訴する構えだ。

Qualcommは、同社のプレスリリースにおいて、判決はドイツのすべての小売業者からの該当デバイスの回収を含む、販売差し止めを求めるものであり、判決は直ちに効力を発揮するものではないが、Qualcomm側が必要な債権を提示すればすぐ有効となる。そして、それは数日以内に完了するであろうと述べている。

Appleが侵害したとされるQualcommの特許技術は、IntelとAppleのサプライヤーであるQorvoのチップを組み合わせた機種で使われていた、パワーアンプのエネルギー効率を改善し、バッテリー寿命も伸ばすことができるという電源技術。中国で差し止め命令の根拠となった、画像調整やタッチスクリーンに関する特許技術とは別種のものだ。

Qualcommは、両社の拠点であるアメリカ本国でもiPhone輸入差し止めを求める訴訟(16件の特許侵害を主張)を提起しており、AppleがQualcommに対して特許侵害を訴える逆訴訟も行われている。AppleとQualcommの訴訟合戦はまだまだ続きそうだ。
Qualcomm「プレスリリース」
URL:https://www.qualcomm.com/news/releases/2018/12/20/qualcomm-granted-permanent-injunction-against-apple-germany
2018/12/21
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