架空の画家への“擬態”という一風変わった趣向でのユアサエボシ氏の個展「プラパゴンの馬」

「プラパゴンの馬」

2019年3月7日(木)から3月31日(日)まで、EUKARYOTEにて、ユアサエボシ氏の個展「プラパゴンの馬」が開催される。月曜休廊で、開廊時間は12:00~19:00。3月8日(金)の18:00~20:00には、ユアサエボシ氏が参加するオープニングパーティーも実施される。
1924年に千葉県で生まれたユアサエボシ氏は、大正生まれの“三流画家”だ。1938年に布佐尋常高等小学校を卒業して画家を志し、看板屋での仕事や戦後の進駐軍相手の似顔絵描き、ニューヨークに渡米して作品制作と並行してのレストランで皿洗いの仕事、帰国後には生活苦からガードマンの仕事も始めるなど、紆余曲折を経て41歳で京橋の貸画廊で個展を開催した。
やがて、母の死をきっかけに、世間とは距離を取って自身の内的な世界に閉じこもり、写経をするかのように自身の過去の作品を繰り返し模写する日々を送る。1983年にはアトリエ兼自宅が全焼。そこで負った重度の火傷の後遺症で、1987年に63歳で亡くなった。
既に亡くなっているユアサエボシ氏が、なぜオープニングパーティーに参加できるのかというと、種を明かせばここまでの“ユアサエボシ”の経歴は、実は架空のものだから。実際には1983年生まれのユアサエボシ氏が、細かく設定された架空の画家“ユアサエボシ”に“擬態”するという一風変わった試みなのである。
本展では、1965年に開催された(という設定の)個展を再現し、架空の“ユアサエボシ”が手掛けた(という設定の)「黒い紙芝居シリーズ」を公開。2015年に出版社から発見された(という設定の)原稿資料を披露するとともに、戦時下の子どもたちが愛読した雑誌を使ったコラージュシリーズや、戦争裁判をテーマとした絵画、ひとり言を可視化した絵画作品なども展示される。
■期間:
2019年3月7日(木)~3月31日(日)

■開催場所:
EUKARYOTE
東京都渋谷区神宮前3-41-3

■問い合わせ先:
EUKARYOTE
url. http://eukaryote.jp/
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