国立西洋美術館と凸版印刷がモネの絵画「睡蓮、柳の反映」の欠損部分をデジタルで推定復元

画布の上半分が欠損した発見時のクロード・モネ作「睡蓮、柳の反映」。表面には保護のため、薄い紙がかけられている

独立行政法人国立美術館国立西洋美術館と凸版印刷株式会社は、印象派を代表する画家のクロード・モネ(1840〜1926年)が描いた「睡蓮、柳の反映」の全体像を復元するプロジェクトに着手した。欠損した箇所を推定して、デジタルで復元。その成果は、2019年6月11日(火)から国立西洋美術館で開催される企画展「国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展」で公開される。
「睡蓮、柳の反映」は、2016年にパリのルーヴル美術館で発見されるまで、60年間にわたり行方が分からなかったモネの晩年の大作だ。発見されたときには画布の半分近くが欠損しており、作品の全体像は破損前に撮影された白黒写真から想像するしかなかった。
今回、凸版印刷株式会社が培ってきた消失文化財のデジタル復元の技術の実績と、それをもとに新たに構築した復元手法を用いて、作品の欠損部分の推定復元を開始。同社は国内外の貴重な文化財を後世に継承するために実物のデジタルアーカイブや消失文化財のデジタル再現に取り組んでおり、これまでに帝国ホテル旧本館ライト館や江戸城天守のVR再現、模本と考えられている「大坂冬の陣図屛風」(東京国立博物館所蔵)の彩色復元も手掛けている。

欠損部分に白黒写真を重ねた状態。白黒写真を参考に全体像をデジタル復元する

独立行政法人国立美術館国立西洋美術館/凸版印刷株式会社
URL:https://artexhibition.jp/matsukata2019/
URL:https://www.toppan.co.jp/
2019/03/14
MdN DIのトップぺージ