Adobeが新しい元号の“令和”の合字を小塚明朝や源ノ角ゴシックなどのフォントで追加

提供予定の“令和”の合字
(小塚明朝/縦組み用)

提供予定の“令和”の合字
(小塚明朝/横組み用)

アドビシステムズ株式会社は、各ソリューションにおける新元号の“令和”に対応する取り組みを発表した。その1つとして、Adobe Fontsの「小塚明朝」「小塚ゴシック」「源ノ角ゴシック」で、“令和”の合字を追加する予定であることが告知されている(上記以外の日本語およびPan-CJKフォントのアップデートについては未定)。
合字とは、複数の文字を合成して1文字で表現したもの。新元号の“令和”は“令”も“和”も常用漢字に含まれるため、従来の日本語フォントでも表示や印刷はできるが、合字を用いることで全角2文字分を全角1文字分で表現できることになり、使い勝手に柔軟性が生まれる。
実はこれまでの元号の明治/大正/昭和/平成の合字も「国際符号化文字集合(UCS・ISO/IEC 10646)」または「Unicode」に既に含まれており、多くの日本語フォントで利用が可能であった。新元号の“令和”の合字も、国際標準化機関のISO/IEC JTC1/SC2で、U+32FFの文字コードに割り当てられることが決定している。
そこで、アドビシステムズ株式会社は、このコードポイントに対応する“令和”の合字を作成し、フォントのアップデートとして順次に追加していくことを決定。まずは4月の初旬に「小塚明朝」を更新してAdobe Fontsからリリースし、「小塚ゴシック」や「源ノ角ゴシック」も4月30日(火・祝)までにはアップデートが完了する予定だ。
今回の取り組みでは、縦組み用と横組み用のそれぞれの“令和”の合字を作成して追加。アップデート以前の書体とアップデート後の書体ではフォント名が変わることはなく、Adobe Fontsで既に該当するフォントをアクティベートしている場合には、一度そのフォントを「My Adobe Fonts」からアクティベート解除し、再びアクティベートすると“令和”の合字を利用できるようになる。なお、この“令和”の合字の詳細は、4月10日(水)の「#フォントの日」に行われるオンライン番組「Creative Cloud道場」(https://blogs.adobe.com/japan/creativecloud/ccdojo/)で解説される予定だ。
ちなみに、そのほかのフォントベンダーの動向として、株式会社モリサワが「新元号合字グリフの追加」、株式会社モトヤが「既存の書体を含む全書体について順次更新を進めていく方針」を明らかにしており、いずれも詳細は後日案内としながらも、いち早く“令和”への対応を発表している。

アドビシステムズ株式会社による“令和”の合字の作成風景

アドビシステムズ株式会社
URL:https://fonts.adobe.com/
2019/04/02
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