技光堂、光を透過する金属調印刷技術を活用した「METALFACE(メタルフェイス)」を発表

株式会社技光堂は、5月22日、光を透過する機能を持った金属調印刷技術(特許申請中)を活用したITプロダクト向けのインターフェイス事業「METALFACE(メタルフェイス)」のプロトタイプとグラフィックを発表。5月22日より開催中の「高機能素材Week高機能プラスチック展」において、カードリーダー、非接触充電器、ペンタブレット、ウエアラブルデバイス、時計、デジタルサイネージなどのプロダクトを公開した。
技光堂が独自に開発した「メタルフェイス印刷(立体視・金属調印刷)」は、透明樹脂素材に光を透過する機能を持ち合わせた金属調印刷を行う新技術だ。金属柄を独自に解析して印刷用の特殊なデータを作成し原版を作成、それを基に独自の特殊なメタリックインクを使用することで、立体感(エンボス調)のある印刷と、金属と見間違える程の高精細な表現を可能にする。

通常の「金属調印刷」とは異なり、光を通す性質を持っているため、まるで金属の内側から光が透けて見えるような表現が可能であり、自動車、スマートハウス、デジタルデバイス、IoTなど様々な分野での活用が想定されている。金型を作成しないため安価で環境に優しく、製品の軽量化、薄型化、着色も可能。金属のような腐食の心配もない。
来る5G時代には、パソコン、スマートフォン、IoTなどのITプロダクトは、電波を通さない金属ではなく、電波を通す樹脂や硝子がメイン素材になるといわれているが、一方でこれらの透明素材はデザイン性をどう高めるかが大きな課題とされている。

この技術を使えば、プロダクトの光源にあわせて透過率を調整し、ヘアライン・スピン・バイブレーション・鏡面・エッチング・エンボスといった金属加工の様も自在に再現できるため、これは次世代プロダクトのデザイン課題を解決する大きな可能性を秘めていると言ってもよいだろう。

技光堂では、IT、IoTプロダクトを製作する世界の企業にアプローチするとともに、BtoC向けに自社開発のオリジナルプロダクトも展開する予定だ。同社は金属調印刷以外にも、点字印刷の点の部分をレンズとして使用し、下の画像を動かしたり浮き出させたり違う画像に変えたりする製品。光の3原色であるR.G.Bを使った印刷で、通常は透明だがブラックライトを当てると色鮮やかな絵柄が浮きだす印刷技術なども保持しており、複合的な製品開発にも期待したい。
株式会社技光堂
URL:http://www.gikodo.co.jp/
2019/05/22
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