ポプラ社が環境に配慮した用紙だけでできている「FSC認証」製品の刊行を一部の児童書から開始

「FSC認証」のマーク

児童書などの出版を手掛ける株式会社ポプラ社は、「FSC認証」製品の刊行を一部の児童書の単行本から開始したことを発表した。今回の実績を手始めに、将来的には「FSC認証」製品を書籍製造のスタンダードにすることを目指しており、実現が可能な部分から少しずつ「FSC認証」製品を増やしていくことを予定している。
「FSC認証」とは、適切な森林管理が行われていることを認証する「森林管理の認証(FM認証)」と、森林管理の認証を受けた森林からの木材・木材製品であることを認証する「加工・流通過程の管理の認証(CoC)認証」の2種類が用意された森林認証制度。株式会社ポプラ社では、夢と感動を与える本作りを通じて心豊かに生きる社会の発展に貢献することを志向し、また年間4000t以上の紙を使用する企業として、環境に配慮した本づくりを目指してきた。
出版物を「FSC認証」製品とする条件としては、印刷用紙や紙でできた製本部材の全てが「FSC認証」の紙であることや、仕入先の製紙会社/用紙代理店/印刷会社/製本会社などが「FSC認証」を得ていることなどがある。「FSC認証」が一般的な欧米の本はシンプルなペーパーバックが主流だが、国内製造のハードカバー書籍では、製本に紙の部材がいくつも用いられ、より「FSC認証」製品とするまでのハードルが高い。
株式会社ポプラ社での最初の取り組みとなった「おしりたんてい」読み物新刊(初版分)は、工程が複数にまたがり、部材調達面でも進行面でもさまざまな課題があった。図書印刷株式会社による印刷と製本、株式会社ブックアートによる製本、旭洋株式会社によるFSC印刷用紙の手配、京橋紙業株式会社によるFSC芯ボールとFSC製本部材の手配といった取引各社の協力を得て、「FSC認証」製品としての初版刊行が実現されている。
株式会社ポプラ社
URL:https://www.poplar.co.jp/
2019/05/23
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