『不思議の国のアリス』など数々の挿絵を手がけた巨匠、アーサー・ラッカムの講座が開催

平松洋監修『挿絵画家アーサー・ラッカムの世界 新装版』KADOKAWA

イギリス挿絵黄金時代の巨匠アーサー・ラッカムの魅力に迫る講座が、7月6日、朝日カルチャーセンター新宿校にて開催される。講師はフリーキュレーターの平松洋氏。

アーサー・ラッカムは『不思議の国のアリス』などの挿絵を手がけ、挿絵のみならず、現在の映画やアニメーションのクリエイティブにも影響を与える挿絵画家。

〈講座内容〉
奇妙にうねり、枝を伸ばす木々のシルエット。独特の雰囲気を放つ妖精や小人たち。そして、愛らしいキャラクターたちを封じ込めたセピア色の世界。『不思議の国のアリス』に『ワンダー・ブック』『夏の夜の夢』……。アーサー・ラッカムの挿絵は、誰しも一度は見たことがあるはずです。

その影響力は、絵本やイラストの世界に留まりません。スタジオ・ジブリの前身の制作会社が手掛けた『ホビットの冒険』や、『パンズラビリンス』『クリムゾン・ピーク』で知られるギレルモ・デル・トロ監督にも強い影響を与えていて、現代のビジュアル・シーンの中に、今も息づいているのです。そんなラッカムの挿絵を多数紹介しつつ、その魅力に迫ります。
(講師・記)

今年、没後80周年を迎えるイギリス挿絵黄金時代を代表する巨匠アーサー・ラッカム。彼は、「線のラッカム」と呼ばれるように、線描が特徴的で、彼の描く黒々とした木々のフォルムが、妖精たちや魔物のいる森の中へといざなってくれます。ちなみに、世紀末を代表する画家として知られるビアズリーは、当初、ラッカムのライバルでもあったのです。

ラッカムは、生涯、挿絵の世界で活躍しますが、その影響は、絵本やイラストはもちろん、現在のアニメや映画にまで及んでいます。テニエルとは一味違う『不思議の国のアリス』や、『ケンジントン公園のピーターパン』や『夏の夜の夢』に出てくる妖精たち。見るものすべてを、暖かく包み込み、どこか懐かしく、それでいて、今も新鮮で輝き続けるラッカムの挿絵世界に触れてみませんか。
平松洋(ヒラマツ ヒロシ)
企業美術館学芸員として若手アーティストの発掘展から国際展まで、様々な美術展を企画。その後、フリーランスとなり、国際展や企画展のキュレーターとして活躍。現在は、執筆活動を中心に、ミュージアム等への企画協力を行っている。主な著書に『名画 絶世の美女』シリーズ、『名画の読み方 怖い絵の謎を解く』、『芸術家たちの臨終図鑑』、『終末の名画』、『ミケランジェロの世界』、『ムンクの世界』、『クリムトの世界』ほか多数。
●講座名:イギリス挿絵黄金時代の巨匠アーサー・ラッカムの魅力に迫る
●講師:平松洋(美術評論家/フリーキュレーター)
●お申込み先:
https://www.asahiculture.jp/course/shinjuku/cbdb6755-4153-8a75-15d3-5cbd0da4317c

●開催日:2019年7月6日
●時間:13:00~14:30
●受講料:3,888円
●場所:朝日カルチャーセンター新宿校(新宿住友ビル10F)
https://www.asahiculture.jp/page/shinjuku/access

2019/6/12
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