花王の水性インクによる軟包装フィルムへの印刷技術がGSC賞 経済産業大臣賞を受賞

インクジェット用水性インクと、それを利用したフィルム印刷物

花王株式会社は、「インクジェット用水性インクによる軟包装フィルムへの印刷の実現」で、公益社団法人新化学技術推進協会の第18回「グリーン・サステイナブル ケミストリー(GSC)賞 経済産業大臣賞」を受賞した。この「GSC賞」は、人と環境に優しく、持続可能な社会の発展を支える化学の推進に貢献するような優れた業績を表彰するもの。その中でも花王株式会社が今回受賞した経済産業大臣賞は、産業技術の発展に貢献した取り組みが選定される。
軟包装用フィルム印刷においては、従来は乾燥が速い有機溶剤(VOC:揮発性有機化合物)を用いた油性インキが使われてきた。しかし、このVOCの排出量の多さは、労働作業環境や地球環境に対する負荷として課題となる。そこで、花王株式会社は、2016年3月に軟包装用フィルムに印刷できるインクジェット用水性インク「LUNAJET」を開発。印刷工程で排出されるVOCが炭素換算で700ppmC以下の“VOCレス設計”で、2018年には株式会社ブルボンの菓子パッケージにも採用されて大きな反響があった。
独自の「顔料ナノ分散技術」が応用されており、水性インクでありながらフィルムや金属への印刷にも対応。なお、今回の受賞に関連した表彰式と講演は、6月24日(月)の東京国際フォーラムでの「JACI/GSCシンポジウム」で実施される。
花王株式会社
URL:http://www.kao.com/jp/
2019/06/19
MdN DIのトップぺージ