5年間で累計2.3万トンのプラスチックのクローズドリサイクルを実現したキヤノンの取り組みに注目

キヤノンの資源循環フロー

キヤノンは環境省が主催する「プラスチック・スマート」の考え方に賛同し、キャンペーンに参画している。「プラスチック・スマート」は、プラスチックによる海洋汚染問題の解決に向けて、“プラスチックとの賢い付き合い方”を推進および周知するために環境省が進めているプロジェクト。キヤノンでは以前からプラスチックの削減に注目し、積極的に取り組んでいる。
キヤノンは、回収した製品から新たな製品を作る「製品to製品」の資源環境を追求。その中でも「キヤノンエコテクノパーク」におけるトナーカートリッジのクローズドループリサイクル(回収した使用済みの自社製品を繰り返し原材料として再使用・再利用すること)や、複合機のリマニュファクチュアリングの取り組みに力を入れている。2018年までの過去5年間において、使用済み製品から取り出されて製品の原材料としてクローズドリサイクルされたプラスチック量は、キヤノングループ全体で累計2万3342トン、リユースされた製品・部品量は累計1万5941トンとなった。
キヤノングループの環境活動の発信拠点となっている「キヤノンエコテクノパーク」は、リサイクル工場とショールームで構成されており、環境学習の場としても利用されている。レーザープリンター用のトナーカートリッジの“クローズドループリサイクル”は、最新鋭の自動リサイクルシステム「CARS-T」によって実現。回収した使用済みカートリッジを破砕し、自動で分別し、主要素材であるプラスチックの高い純度での再生が可能だ。また、インクジェットプリンタの使用済みインクカートリッジの解体/粉砕/洗浄工程を一貫した自動化ラインで行う「CARS-I」も導入されている。
また、複合機のリマニュファクチュアリングでは、回収した使用済みの機器を部品レベルまで分解して洗浄/清掃し、劣化/摩耗部品などを交換。新しい部品のみで生産される機器と同レベルの生産/検査ラインで、新品同等にまで品質を高めて出荷している。「imageRUNNER ADVANCE」をリマニュファクチュアリングした製品は、日本では「Refreshed」シリーズとして商品化。たとえば「imageRUNNER ADVANCE 6265-R」は、製品総重量の86.6%がリユース部品で構成されている。

キヤノンエコテクノパーク
施設に関する情報/問い合わせ/見学の受付先
https://global.canon/ja/environment/ecotechnopark/index.html

「CARS-T(Canon Automated Recycling System for Toner Cartridge)」

「CARS-I(Canon Automated Recycling System for Ink Cartridge)」

キヤノン株式会社
URL:http://canon.jp/
2019/06/25
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