2019年度のグッドデザイン大賞が富士フイルムの「結核迅速診断キット」に決定

2019年度グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)
富士フイルム株式会社「結核迅速診断キット」

公益財団法人日本デザイン振興会は、2019年度グッドデザイン賞の特別賞各賞を発表した。大賞候補のファイナリスト5件に対し、審査委員とグッドデザイン賞受賞者、受賞展「GOOD DESIGN EXHIBITION 2019」の来場者による投票が実施され、最多票数を得た富士フイルム株式会社の「結核迅速診断キット」が2019年度グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)に決定。審査委員からは「共振力の高いデザイン」として高く評価されている。
「結核迅速診断キット」は、HIV感染者など結核罹患の可能性が高い人々の診断を可能にする診断キットだ。同社が写真現像の分野で培ってきた“銀増幅技術”が応用されており、尿の中のわずかな成分から結核菌の存在を判定することによって、早期の治療につなげることが可能。電源や装置を用いない簡単な検査が実現されているため、罹患者の割合が全体の87%にも達するという開発途上国においても使用しやすく、操作手順が一目でわかるグラフィックもデザインのポイントの1つとなっている。審査では「高額な機器と同等の感度70%で容易に結核菌の有無判定を可能にした志と技術とデザイン」や「銀増幅技術という従来から社内にあるシーズを活用したこと」が特に評価された。
なお、この「結核迅速診断キット」を含め、グッドデザイン賞の受賞デザイン全件を紹介する「GOOD DESIGN EXHIBITION 2019」は、2019年11月4日(月・休)まで、東京ミッドタウン(東京都港区赤坂9)にて開催中。「グッドデザイン・ベスト100」の特別展示や、会期中限定の受賞商品のショップなども展開されている。
公益財団法人日本デザイン振興会
URL:https://www.g-mark.org/
2019/11/01
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