生活保護と同額を支給する代わりに、プライベート情報を収集・マネタイズするというプロジェクトが始まる

株式会社Plasmaが、11月1日より、生活保護と同額を支給する代わりに、プライベート情報を収集・マネタイズするプロジェクト「Exograph」をスタートした。“ただ生きているだけで、人は価値を生み出せるか?”という命題に挑むもので、プライバシーと公共の利益の均衡を考える社会実験として一か月間実施される。
AIやロボットの発展に伴い、将来的には働かなくても良い人が現れると言われている。そんな中で、例えば納税や労働以外に「生き様のデータ」を提供することで社会に貢献し、社会保障や金銭的対価を受けるという選択肢があっても良いのではないだろうか。

このように考え、その仕組みを提供していくための社会実験として企画されたのがこの「PROJECT Exograph」だ。プロジェクトでは、東京都内23区の30歳前後の人々に支給される生活保護費用132,930円を提供する代わりに、その私生活データを動画で収集し、その費用を賄うことに挑戦する。

【実験スケジュール】
11月01日~15日 参加者募集開始
11月15日~22日 面接および合格連絡
11/25 実験開始
12/25 実験終了
12/27 お支払い

実験では数名の参加者を募り、浴室以外はすべての部屋に死角なしでカメラを設置。録画・録音されたデータは、人物の部分をマスク処理し、匿名化した状態で利用されるという。睡眠も合わせて8時間以上を自室で過ごしている人であれば、昼間働いている人でも応募可能だ。

風呂上がりに何をどのような感じで飲むのか、どのような状況でテレビCMを見てその時のリアクションはどうなのか、いつ布団に潜りその後どれだけスマホをいじって、その結果どのような人生を送るのか。このようなオンラインの行動データには、果たしてどれほどの経済的価値があるのか。

取得した動画データを元に、有識者や消費財メーカーをはじめとした企業へのヒアリングが行なわれ、実際にこの動画データパネルを1万人規模で行なった場合に一人当たりの売上がいくらになるかを推定し、1月末に結果が公表されるとのこと。

当プロジェクトの主催するのは、株式会社Plasma代表取締役の遠野宏季氏。京都大学大学院在学中の2016年に、Deep Learningを用いた目視検査システムを開発する株式会社Ristを創業し(2018年末京セラに売却)、2019年11月から株式会社Plasmaの代表取締役として、新たな取り組みを始めている。
株式会社Plasma
URL:https://exograph.plasma.inc/
2019/11/08
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