国立新美術館「ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年」【美術館・博物館/冬の展覧会情報 2019・2020】

ティツィアーノ
《聖母子と聖パウロ》
1540年頃
油彩/カンヴァス
ブダペスト国立西洋美術館
© Museum of Fine Arts, Budapest - Hungarian National Gallery, 2019

エル・グレコ
《聖小ヤコブ(男性の頭部の習作)》
1600年頃
油彩/カンヴァス
ブダペスト国立西洋美術館
© Museum of Fine Arts, Budapest - Hungarian National Gallery, 2019

2019年12月から2020年2月にかけて、ぜひ鑑賞しておきたい美術館・博物館の展覧会を編集部がピックアップ。今回は国立新美術館で開催中の「ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年」をご紹介します。見どころやグッズ・カフェ情報もチェック!

●文:中村美枝(JAM SESSION)
ドナウ川を挟むようにして広がる美しい街並みから“ドナウの真珠”と称されるハンガリーの首都・ブダペスト。国立新美術館で開催中の「ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年」では、ブダペストにあるハンガリー最大の「ブダペスト国立西洋美術館」と「ハンガリー・ナショナル・ギャラリー」のコレクションを紹介している。

本展は16世紀ルネサンスから20世紀初頭アバンギャルドまで、各時代を代表するヨーロッパの絵画、素描、彫刻130点を公開。ルカス・クラーナハ(父)、ティツィアーノ、エル・グレコ、モネ、ルノワールといった巨匠らの作品が一堂に集まり、さらにハンガリー近代美術の作品も充実。19世紀から20世紀初頭にかけては、ハンガリーの芸術文化活動が盛んだった時代で、シニェイ・メルシェ・パール《紫のドレスの婦人》をはじめ、今も愛される多くの名画が生まれた。日本ではあまり目にすることのないハンガリー美術にふれる、またとない機会になりそうだ。
▼「ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年」で注目したい作品

ルカス・クラーナハ(父)《不釣り合いなカップル 老人と若い女》1522年 油彩/板(ブナ) ブダペスト国立西洋美術館 
© Museum of Fine Arts, Budapest - Hungarian National Gallery, 2019

シニェイ・メルシェ・パール《紫のドレスの婦人》1874年 油彩/カンヴァス ブダペスト、ハンガリー・ ナショナル・ギャラリー 
© Museum of Fine Arts, Budapest - Hungarian National Gallery, 2019

リップル=ローナイ・ヨージェフ《赤ワインを飲む私の父とピアチェク伯父さん》1907年
油彩/厚紙 ブダペスト、ハンガリー・ ナショナル・ギャラリー 
© Museum of Fine Arts, Budapest - Hungarian National Gallery, 2019

画像左)なんとも違和感のある年の差カップル。実は恋人ではなく、若い女性はにやけ顔の年老いた男の財布を抜き取ろうとしている。手がけたのはドイツ・ルネサンスの巨匠ルカス・クラーナハ(父)。展覧会ではこの作品と併せて、老女と若い男を描いた作品も公開。見比べてみよう

画像中央)《紫のドレスの婦人》はハンガリー近代絵画の発展に大きな役割を果たしたシニェイ・メルシェ・パールの初期の作品。妻ジョーフィアをモデルに描いた。制作当時は草木の黄緑色とドレスの紫色の強い対比が不評だったが、今ではハンガリーで最も愛される名作に。ハンガリーのモナ・リザとも呼ばれている

画像右)“ハンガリーのナビ”と称される画家リップル=ローナイ・ヨージェフは、ハンガリーを代表するモダン芸術家のひとり。《赤ワインを飲む私の父とピアチェク伯父さん》は、室内の情景を主題に強烈な色彩の絵画を中心に描いていた頃の作品。平面的ながら、くっきりと描かれた輪郭と、強いコントラストが印象的
▼展覧会オリジナルグッズ&カフェのコラボメニューも要チェック

キューブパズル1,760円(税込)

サロン・ド・テ ロンド/「紅いものモンブラン バニラのアイスクリームを添えて」とドリンクのセット1,400円(税別)

画像左)ハンガリーの建築学者ルビク・エルネーが考案した、世界的に知られるキューブパズルが、展覧会オリジナルグッズとなって登場。6つの面には展覧会ロゴのほか、ハンガリー近代美術を代表する画家たちの作品をデザイン。名画で遊んで、6面そろえに挑戦を

画像右)国立新美術館2階の「サロン・ド・テ ロンド」では、本展覧会の会期中限定で、シニェイ・メルシェ・パール《紫のドレスの婦人》をイメージした「紅いものモンブラン バニラのアイスクリームを添えて」を提供。鑑賞の余韻に浸りながら、甘いひとときを過ごしたい
DATA
日本・ハンガリー外交関係開設150周年記念
ブダペスト国立西洋美術館 & ハンガリー・ナショナル・ギャラリー所蔵
ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年
会期:~2020年3月16日(月)
開催時間:10:00~18:00(金、土は20:00まで、入場は閉館の30分前まで)
休館日:火、2019年12月24日(火)~2020年1月7日(火)、2月12日(水)※2月11日(火・祝)は開館
場所:国立新美術館
問い合わせ先:03-5777-8600(ハローダイヤル)
入場料:一般1,700円、大学生1,100円、高校生700円、中学生以下は入場無料
https://budapest.exhn.jp
限定グッズやイベントなどにも注目!この冬行きたい、美術館・博物館
開幕からおよそ1カ月で来場者10万人を突破した『特別展ミイラ~「永遠の命」を求めて』をはじめ、ハンガリー近代美術の作品も楽しめる「ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年」、鉄道ファン必見の「特別展 天空ノ鉄道物語」など、編集部&ライターが注目する東京&東京近辺の展覧会情報をお届け。各展覧会ページでは、見どころはもちろん、オリジナルグッズやカフェメニュー、イベント情報なども紹介しています。https://www.mdn.co.jp/di/special/4713/69861/
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