東京都現代美術館「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」【美術館・博物館/冬の展覧会情報 2019・2020】

撮影:吉次史成

2019年12月から2020年2月にかけて、ぜひ鑑賞しておきたい美術館・博物館の展覧会を編集部がピックアップ。今回は東京都現代美術館で開催中の「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」をご紹介します。見どころやトークショー情報もチェック!

●文:中村美枝(JAM SESSION)
「せめて100年つづくブランドに」との思いからスタートし、現在はファッションだけでなく、インテリア、食器など生活全般のプロダクトを展開する「ミナ ペルホネン」。2020年は、デザイナー皆川明が同ブランドの前身となる「ミナ」を立ち上げてから25周年迎える。

東京都現代美術館で開催中の「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」では、ミナ ペルホネンのものづくりの営みを8つの章に分けて紹介。これまでに発表された洋服や、ひとつのデザインが生地、洋服、インテリアなどに展開していく様子、さらに原画や挿画、映像なども紹介。さまざまな視点でミナ ペルホネンの魅力に触れられる。

本展には、パリを拠点に活動する建築家・田根剛が展示構成を、日本を代表するアートディレクター葛西薫がグラフィックデザインを担当するなど、他ジャンルのクリエイターも参加。ミナ ペルホネンファンのみならず、デザイン、アート好きも必見の展覧会と言えそうだ。
▼「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」で注目したい作品

「実」展示風景 撮影:吉次史成

「森」展示風景 撮影:吉次史成

「芽」展示風景 撮影:吉次史成

画像左)8つの章には「土」「空」「風」など自然界をとりまく名称がつけられている。「実」では、2000~2001年秋冬コレクションで発表された刺繍柄「tambourine」から生み出された生地、洋服、インテリアなどを紹介。ミナ ペルホネンを代表する25個のドットが円を描く刺繍柄の丁寧な手仕事にも注目

画像中央)流行にとらわれず長年着用できる「特別な日常服」をコンセプトとしたミナ ペルホネン。こちらには設立当初から2020年春夏コレクションまで、約25年分の400着以上を展示。過去も現在も分け隔てなく年代をまぜて展示されていて、普遍的な価値を掲げてきた思いをそのまま体現しているよう

画像左)日本各地の生地産地と関係を育みながら、手描きの図案をもとにオリジナルの生地を作り、洋服に仕立ててきたミナ ペルホネン。「芽」の章では、皆川明とインハウスデザイナー・田中景子が手がけた、テキスタイルのためのデザイン画を展示。プリント用、織物用、刺繍用で異なるデザイン画の見比べも楽しい
▼トークショー&展覧会限定カバーも要チェック

2月11日13:00~の「クロストーク」で単独講演を行う皆川明

ランドスケーププロダクツ代表の中原慎一郎は、画像右の岡本仁とともに2月11日15:30〜の「クロストーク」に登壇

編集者・岡本仁

画像左)本展では、皆川明がさまざまな分野のクリエイターやアーティストとトークする「クロストーク」を開催。2月は、1日(土)と11日(火・祝)。それぞれ13:00~14:00、15:30~17:00の2回ずつ行われる。応募は、展覧会HPにて2020年1月15日(水)まで受け付け。応募多数の場合は抽選後、当選者にのみメールで通知が届く

東京都現代美術館エントランスに本展覧会の特設ショップが登場。ミナ ペルホネンのテキスタイルを使用したバッグ、ブックカバーのほか、ソックス、マスキングテープなどがそろう。展覧会カタログは、2月以降に一般書店でも販売される通常版カバーに加え、展覧会限定カバーを8種用意。いずれも会場で販売中
DATA
ミナ ペルホネン/皆川明 つづく
会期:~2020年2月16日(日)
開催時間:10:00~18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
休館日:月、2019年12月28日(土)~2020年1月1日(水・祝)、1月14日(火)※1月13日(月・祝)は開館
場所:東京都現代美術館
問い合わせ先:03-5777-8600(ハローダイヤル)
入場料:一般・大学生1,500円、大学生・専門学生・65歳以上1,000円、中・高校生600円、小学生以下無料
https://mina-tsuzuku.jp/
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