東京国立博物館『日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」』【美術館・博物館/冬の展覧会情報 2019・2020】

国宝 銅鐸  島根県雲南市 加茂岩倉遺跡出土  弥生時代・前2~前1世紀 文化庁蔵(島根県立古代出雲歴史博物館保管)

重要文化財 持国天立像 飛鳥時代・7世紀 奈良・當麻寺蔵 画像提供:奈良国立博物館(撮影:佐々木香輔)

2020年1月以降、ぜひ鑑賞しておきたい美術館・博物館の展覧会を編集部がピックアップ。今回は東京国立博物館で開催中の『日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」』をご紹介します。見どころやグッズ情報もチェック!

●文:中村美枝(JAM SESSION)
2020年は、日本最古の歴史書『日本書紀』が編纂されてから1300年を迎える。これを記念して、その冒頭につづられた国譲りの神話の舞台、神々や祭祀の世界を司るとされる出雲(島根県)と、王権誕生の地とされる大和(奈良県)が、東京国立博物館と共同で本展を開催。

出雲からは、蒔絵手箱、甲冑といった出雲大社の神宝、出土青銅器などを出品。2000年に出雲大社境内の地下1.3ⅿから発見された、鎌倉時代造営の本殿の柱材《心御柱》と《宇豆柱》が史上初めて同時に展示される。一方、大和は、現存する四天王像の中でも制作年が古い《持国天立像》、これまで寺外で公開されることのなかった石仏などを公開。メスリ山古墳で出土された世界最大の《円筒埴輪》が、修理完成後に初めてお披露目される。出雲と大和が大切に守り継いできた歴史的な名品から、古代日本の成り立ちに迫ってみたい。
▼『日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」』で注目したい作品

国宝 銅剣・銅鐸・銅矛(部分) 島根県出雲市 荒神谷遺跡出土 弥生時代・前2~前1世紀 文化庁蔵(島根県立古代出雲歴史博物館保管)

重要文化財 画文帯神獣鏡・三角縁神獣鏡(部分) 奈良県天理市 黒塚古墳出土 古墳時代・3世紀 文化庁蔵(奈良県立橿原考古学研究所保管)

画像左)荒神谷遺跡から出土された青銅器(銅剣・銅鐸・銅矛)の中から計189点と、加茂岩倉遺跡出土の銅鐸を30個展示。いずれの青銅器も国宝で、弥生時代を代表する名品。これだけの点数が東京でまとまって公開されるのは、およそ20年ぶり

画像右)画文帯神獣鏡1面と三角縁神獣鏡33面を公開。鏡面を被葬者側に向けて配することで、被葬者を鎮守する意図があったとされる三角縁神獣鏡。黒塚古墳より出土された際には、被葬者の頭部のまわりを囲むように33面の三角縁神獣鏡が置かれていたとか。ひとつの古墳から出土した数は国内で最多
▼展覧会オリジナルグッズも要チェック

チケットファイル各300円(税込)©2019 Kanako Nakamura

画文帯神獣鏡刺繍缶ミラー1,430円(税込)

画像左)2018年にテーブルウェアブランド「kanakono」を立ち上げた、イラストレーターの中村加菜子とコラボしたチケットファイル。出雲と大和バージョンそれぞれに“見返り鹿”が描かれ、かわいらしくファンタジックな趣。展覧会チケットの収納などに活用を

画像右)女性に人気の通販サイト「フェリシモ」とコラボした刺繍缶ミラーは、本展に出品される《画文帯神獣鏡》がモチーフ。刺繍と高精度プリントで複雑な造形を再現しており、プロジェクションマッピングのようなリアルな仕上がり。小ぶりのポーチにもすっぽり入るよう、サイズは直径約7.5cmと小さめ
DATA
日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」
会期:前期展示 2020年1月15日(水)~2月9日(日)、後期展示 2月11日(火・祝)〜3月8日(日)
開催時間:9:30~17:00(金、土は21:00まで、入館は閉館の30分前まで)
休館日:月、2月25日(火)※2月24日(月・休)は開館
場所:東京国立博物館 平成館
問い合わせ先:03-5777-8600(ハローダイヤル)
観覧料:一般1,600円、大学生1,200円、高校生900円、中学生以下は無料
https://izumo-yamato2020.jp/index.html
限定グッズやイベントなどにも注目!この冬行きたい、美術館・博物館
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