凸版印刷が微細線を用いたレンズを必要としないチェンジング印刷技術を開発

新たに確立された技術の基本原理

凸版印刷株式会社は、レンズ不要で印刷のみで極薄透明フィルム上に形成するチェンジング印刷技術を確立したことを発表した。線幅と間隙を10μmで印刷できる独自の微細線印刷法を使ったもので、色の重なり方の違いで視認の変化を作り出し、角度によって見え方が変わるチェンジング効果を得ることが可能。この技術は、偽造防止や真贋判定などのセキュリティ分野、導電性インキを使った高精度・高精細な印刷が求められるエレクトロニクス分野などでの製品開発に活用していくことが予定されている。
従来のチェンジング印刷では印刷線幅に応じた基材の厚さが必要で、たとえばスクリーン印刷法などでは厚い基材が必要であった。また、薄い基材で光が通過する距離を変えるためには、レンチキュラーレンズと組み合わせるなどの処理が必要とされていた。
今回新たに確立された技術では、薄い基材でもレンズが不要だ。たとえば、厚さ50μmの明フィルム基材の表側に線幅20μmで印刷したシアン、マゼンタ、グリーンを配置し、裏側で表側のシアンとマゼンタに重なる部分にのみブラックを位置合わせして印刷。すると、真上から見た場合にはシアンやマゼンタの背後にブラックが重なるためグリーンのみが視認され、斜めから見るとブラックの重なる位置が方向や角度によって変わるため、シアンのみが見えたりマゼンタのみが見えたりする。

新たに確立された技術によるチェンジング印刷
透明フィルム(厚さ50μm)

凸版印刷株式会社
URL:https://www.toppan.co.jp/
2020/03/03
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