Microsoft Developer Forum 2008が開催


Microsoft Developer Forum 2008が開催
スティーブ・バルマー氏が登壇、質疑にも自ら応答


マイクロソフトは、2008年11月5日、東京・六本木のアカデミーヒルズで「Microsoft Developer Forum 2008」を開催した。同イベントは、マイクロソフト製品を用いてシステムやWebアプリケーションなどの開発を行うITエンジニア(開発者)や関係者に向けて、同社や同社製品(ソフトウエア)の現状や改善されたサービス、次世代製品などの報告、また開発者からの質問に同社担当者が応えるといったフォーラム形式の催し。

当日は、同社コーポレートコミュニティ サポートサービス リージョナル マネージャの鈴木真弓氏と、同ブロード エバンジェリズム グループ デベロッパー エバンジェリストの大野元久氏の司会によって、プログラムの進行が発表。


進行を説明する司会の鈴木真弓氏(左)、大野元久氏(右)

つづいて、同社執行役 デベロッパー&プラットフォーム統轄本部長の大場章弘氏が登壇。「開発者の皆様への取り組み」といったタイトルで、同社の開発者向けの新サービスなどが紹介された。大場氏は10月末に米国で行われた「PDC(Professional Developers Conference) 2008」の話を引き合いにしながら、新しい取り組みをいくつか紹介。


マイクロソフト株式会社 デベロッパー&プラットフォーム統轄本部長 大場章弘氏

開発者向けの情報技術ポータルサイトである「MSDN オンライン」では、ホーム、ライブラリ、ラーニング、ダウンロードなどのタブが新たに用意され、開発者が目的の情報へアクセスしやすくなった。また複雑なURLを解消し、「http://msdn.microsoft.com/製品名(略称)」と入力するだけで各製品のポータルページへジャンプするよう改善。ナビゲーションバーにはドロップダウンメニューを採用し、階層が整理されたメニュー項目により目的の情報へアクセスがしやすくなるなど、開発者に向けた改良点を実演で披露した。

また、MSDNフォーラムやもうひとつの情報技術ポータルサイトである「Microsoft TechNet」に用意されたTechNetフォーラムでは、MSのエンジニアが直接相談に乗る掲示板や、チャットで情報を案内するといった人力検索サービスを始めたことなどを紹介。ユーザーであるITエンジニアへの気配りを見せた。

次に同社デベロッパー&プラットフォーム統轄本部 部長の平野和順氏が登壇。「次世代開発環境の方向性」と題して、同本部エバンジェリストの長沢智治氏による「Visual Studio 2010」の新機能のデモを交えながら、プログラミング言語である「.NET Framework 4.0」「Visual Studio 2010」、およびモデルベースの開発支援プラットフォームである「Oslo」の内容について紹介した。


デベロッパー&プラットフォーム統轄本部 部長の平野和順氏


「Visual Studio 2010」の新機能をデモするエバンジェリストの長沢智治氏

その後、米マイクロソフトコーポレーションCEOのスティーブ・バルマー氏が登場。「インターネットの力と同社の開発するソフトウエアとの組み合わせによってシームレスなエクスペリエンスを構築する」というプログラム開発におけるビジョンを示しながら、これからは「分散型のクラウドプラットフォームによるソーシャルコンピューティングが主流になってくる」との見解を力説した。たとえばメールソフトであるOutlookも重要視しており、デスクトップPCやノートPC、携帯端末に音声端末である旧来の電話やファクスなどで同じ情報を得ることのできるよう、一貫性のあるプログラムの開発をしていくことが今後の開発には求められてくるだろうといった考えを述べた。


クラウドプラットフォームによるソーシャルコンピューティングを力説する
米マイクロソフトコーポレーションCEOのスティーブ・バルマー氏

それをふまえてバルマー氏は、PDC 2008で発表したクラウドサービスプラットフォーム「Azure Services Platform」と、その基盤となるクラウドOS「Windows Azure」を紹介。Azure Service Platformは、Windows AzureをOSとしてアプリケーションやサービスの開発を行うプラットフォーム。複数の開発者がこのプラットフォーム上で開発を行うことができる。


バルマー氏は、Azure Services PlatformやWindows Azureについても言及


その後、バルマー氏を交えてのパネルディスカッションや来場者であるITエンジニアからの質疑応答が行われた。UXやクラウドコンピューティングへの懐疑的な質問や、省電力・環境問題への見解、「技術者のやる気を維持するにはどうしたらいいか」といった経営者としての意見を求める声などにひとつひとつていねいに応えた。


質疑応答の様子。マイクロソフトの動向を気にかけるITエンジニアが多数来場した






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