凸版印刷とネスレ日本が「キットカット」の外袋の紙パッケージ化で木下賞を受賞

画像は2019年9月に発売された「キットカット」大袋タイプ製品

凸版印刷株式会社とネスレ日本株式会社は、公益社団法人日本包装技術協会(JPI)が主催する「第44回木下賞 包装技術賞」を受賞した。「木下賞」は、包装技術の研究・開発に顕著な業績をあげたものや、包装の合理化・改善・向上・新規分野の創出に顕著な業績をあげたものに与えられる賞。今回の受賞は、ネスレ日本株式会社が販売する「キットカット」大袋タイプ製品の外袋を紙パッケージ化する取り組みが対象となっている。
SDGs(持続可能な開発目標)など、環境配慮や省資源化推進の機運は世界規模で高まっており、「廃棄プラスチックによる海洋汚染問題」も世界的な社会課題となっている中で、パッケージの分野でも環境負荷の低減に注目が集まっている。「キットカット」大袋タイプ製品の外袋の紙パッケージ化も、プラスチックごみの課題に向けたグローバルな取り組みの1つだ。
「キットカット」では、従来は主に石油由来の材料によるプラスチックの外袋が使用されていたが、凸版印刷株式会社とネスレ日本株式会社は紙製パッケージの開発力・生産技術を駆使して、外袋の紙化に成功。2019年9月から「キットカット」大袋タイプ製品5品の外袋は紙パッケージに変更されており、それ以降も紙パッケージ製品のラインナップを順次に拡大している。
従来のプラスチックの外袋は強度が強くて流通適正に優れており、印刷の色再現性も高かったため、紙素材に置き換えたときにどこまでプラスチックの仕様に近づけられるかが大きなポイントとなった。これを実現するために両社では、紙素材の選定、パッケージデザインの印刷技術、製袋するシール材の開発を推進。フィルムよりも強度が弱い紙素材でありながら、流通過程で必要な強度を確保しつつ、印刷の色再現性を高めた包材の開発に成功している。

従来の外袋(プラスチック)と今回の外袋(紙)の構成の違い

凸版印刷株式会社/ネスレ日本株式会社
URL:https://www.toppan.co.jp/
URL:https://www.nestle.co.jp/
2020/11/09
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