「2009年ネットサービスの“台風の目”は?──前編」



「2009年ネットサービスの“台風の目”は?──前編」
2009年1月5日

TEXT:小川 浩
(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)


情報の「ストリーム」を可視化する

新しいタイプの企業内情報共有サービスが米国で急速に台頭しつつあり、2009年にもっとも注目されるべきビジネスモデルになりそうだ。

それは、「企業内Twitter」(Enterprise Twitter Service)と呼ばれる社内向けのマイクロブロギングサービスと、「企業内FriendFeed」(Enterprise Mushup Service)と呼ぶべき、社内情報の集約サービスである。

(前回この話題に触れた。http://www.mdn.co.jp/content/view/7325/78/)。

この2つのサービスは、趣が若干異なるものの、原則としては同じコンセプトによって成り立っている。企業内Twitterが「情報の入口」を意識しているのに対し、企業内FriendFeedは(情報を集めてくる機能にフォーカスしていることから)「情報の出口」を意識しているといえるが、どちらも情報をストリーム(流れ)と捉えていることには変わりない。

両者のサービスは、社内のあらゆる情報の流れを鳥瞰させる。全体を把握するとともに、そこに流れていく新しい知識の自然な共有を目指すという基本的なコンセプトを備えているのである。ここで、この両者を総括して、「企業内アクティビティストリーミングサービス」(Enterprise Activity Streaming Service)と呼んでおく。

これまでのWeb2.0的要素を備えた企業向けアプリケーションは、イントラブログにしても社内SNSにしても、従来のグループウエアにしても、情報の置き場所を作ることにこだわっている。情報のあり方を“場”という概念で捉えているわけだ。Webを「サイト」と呼ぶことに近い。しかし、実はWebの本質はサイトではなく「ストリーム」(流れ)にある。

たとえば大気は静的な存在ではなく、決してとどまることのない動的な流れだ。海もまた海流という大きな流れそのものである。Webもまた同じだ、海の中に海流というストリームがあるように、WebにはFeedというストリームがある。もっといえば、人間にも血流がある。それが動脈硬化などにより滞れば、病気になるわけだ。

つまり、会社の中においても本当は情報のストリームが存在する。それがさまざまな事由によってこのストリームが滞っているか見えづらくなっているといえる。このストリームを可視化することこそが、企業内アクティビティストリーミングサービスの本質である。

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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。



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