「台頭するTwitterのビジネスモデル──(2)」
「台頭するTwitterのビジネスモデル──(2)」
2009年4月6日
TEXT:小川 浩
(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)
法人アカウントを有償化?
Twitterのもう一つのビジネスモデルと目されているのは、企業向けのアカウントの有償化である。たとえばデルは数十個のTwitterアカウントを作成し、Twitter上での企業ブログ的なサイトをいくつも運営することで、顧客との接点として活用している(下記図を参照)。その結果、デルがこの1年半で明らかにTwitterのトラフィックを利用して挙げたと思われる収益は実に100万ドルに達しているという。
Dell on Twitter
http://www.dell.com/twitter
Twitterが目を付けているのは、このように、Twitterのトラフィックを利用している企業に課金することである。ただ、デルは既にこの動きを受けて、もしTwitterが法人アカウントを有償にしたときには直ちにTwitterから別のサービスへと乗り換えると公言しており、Twitterの思惑通りになるかどうかはいまのところ不明だ。
Dell on Twitterのうちのひとつ
ビジネスモデルの多角化はリスキーか
もう一つ、有償化の可能性があるのが、有名人アカウントである。俗にいう芸能人ブログのようなもので、マドンナやブリトニー・スピアーズのようなセレブがTwitterを利用してファンとのコミュニケーションを行いつつあり、そのトラフィックをマネタイズするのは良い戦略である。
Britney Spears on Twitter
http://twitter.com/britneyspears
ただし、セレブが利用しているのがTwitterだからトラフィックを生むのか、セレブ自身の人気があるからこそTwitterにトラフィックが集まるのかは微妙であり、セレブへの課金ができるかどうかは疑問だ。日本ではアメブロがセレブに自社サービスの利用をしてもらうことで広告媒体としての価値を上げる戦略を押し進めており、このやり方をTwitterも踏襲する可能性のほうが強いと思われる。
セレブへのサービス提供によるトラフィックの稼ぎ方という点では米国でも既にMySpaceが先行しており、Twitterは検索エンジンとしてはGoogleと、メディアとしてはMySpaceと争わなくてはならないことになる。収益源の多角化は悪くはないが、戦力の拡散につながるため、共倒れになるリスクもあることをTwitterの経営陣は理解しているだろうか?。
次回につづく
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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。