「レコメンデーションエンジンとは何か?──前編」
「レコメンデーションエンジンとは何か?──前編」
2009年4月20日
TEXT:小川 浩
(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)
誰にも同じ推奨/顧客別に推奨とタイプは2つ
Eコマースサイトにいまや不可欠な機能が「レコメンデーションサービス」(何を買えばいいか推奨してくれる機能)だ。
レコメンデーションサービスを提供する仕組みがレコメンデーションエンジンである。基本的には対象を特定しない、つまり誰に対しても同じ推奨をするタイプと、対象者の嗜好や特性を考慮して、わたし好み・あなた専用のオススメを行うタイプ、つまりパーソナライゼーションに基づくレコメンデーションとの二つに大別される。
前者は、顧客の個人情報をいっさい取得していなくてもかまわないが、提供する商品の分類と売れ筋商品や売れる時間帯など販売実績のデータベース化が必要になる。たとえばコンビニエンスストアは、「POS」と呼ばれるデータベースを有しており、店舗ごとの商品の販売動向と、購入者の性別や年齢層などの情報、および時間帯や天候などまでも記録している。つまり、雨が降ればどんな商品が若い女性に売れる、というようなデータを取ることができる。
このデータベースを利用して、コンビニでは商品を仕入れ、そして棚に並べる場所や順番を決めている。要するに、コンビニの品揃えと商品の並べ方は、その店舗に訪れる客の平均的なデータを用いて作られている、一種のレコメンデーションの結果なのである。
しかし、コンビニの商品は顧客一人一人の嗜好を考慮しているわけではない。
たとえばコンビニの特定の客がいつ来店して何を買ったか、という情報を定点観測して分析した結果、次に来たときには何をおススメすればよいかを導きだしたいときに、後者のパーソナライゼーションされたレコメンデーションがその手法として浮かび上がってくるのだ。
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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。