PUBLIC/IMAGE.METHODイベントレポート(1)



PUBLIC/IMAGE.METHODイベントレポート(1)
去る2009年5月16日(土)、クリエイター向けのコンファレンスイベント「PUBLIC/IMAGE.METHOD」が東京・六本木ベルサールにて行われた。これはWebマガジン「PUBLIC/IMAGE.ORG(http://www.public-image.org/)」を運営するクリエイティブプロダクション「ANSWR」が主催するもので、今回が第1回目の開催となる。さまざまなジャンルのクリエイターを迎えてのセッションが全部で5本、合計6時間にもおよぶイベントは、「EDUCATIONとENTERTAINMENTが融合するEDUTAINMENT(エデュテイメント)な新感覚クリエイティブカンファレンス」を目指したというだけあって、笑いあり、ライブパフォーマンスありといった非常に濃い内容となった。今回は、その中から特にWeb関連のセッションを中心にレポートする。
(取材・文=草野恵子、撮影=竹林省悟)


チームラボ×タナカカツキ
~インタラクティブなおもしろさの「SKETCH PISTON」
まず最初にご紹介したいのは、(株)チームラボを率いる猪子寿之氏と『バカドリル』で知られるイラストレーター・タナカカツキ氏のセッション。チームラボは東大生ITベンチャー企業として媒体に取り上げられることも多い制作会社だが、その最新のプロジェクト「SKETCH PISTON(スケッチピストン)」でタナカカツキ氏とコラボレーションしたことがきっかけで、今回の対談が実現した。


タナカカツキ氏のファンだと話す、チームラボの猪子寿之氏(左)とタナカカツキ氏(右)
「SKETCH PISTON」とは、2009年3月にチームラボがリリースしたFlashアプリのWebインターフェイスのこと。画面上に物理演算で動くオブジェクトが落書きできる「スケッチアクション」が最大のポイントで、(株)アイディーユープラスのコーポレートサイトにて一般公開された。実はもともと、同社のWebサイトを受注し制作を進めていたが、途中で「普通のコーポレートサイトではおもしろくないだろう」と思い至り、新たにクライアントに提案して実装したのが「SKETCH PISTON 1」となる。その、一見コーポレートサイトとは思えないゲームインターフェイスが大きな話題を呼んでいるのだ。

本イベントで初公開となったのが、次のバージョン「SKETCH PISTON 2」。これはタナカカツキ氏とチームラボが一緒に開発を行ったもので、「SKETCH PISTON 1」の機能はそのままに、表面の画像部分をタナカ氏がプロデュースしたものだ。ぱっと見たところでは、まったく別のゲームのように感じられるほどの違い。実際に壇上で「SKETCH PISTON 2」をタナカ氏や猪子氏が操りながら紹介していくと、ユニークなキャラクターの動きに会場は爆笑の渦に巻き込まれた。


「SKETCH PISTON 2」をプレゼンテーションするタナカ氏(左)とチームラボの猪子氏(右)

「『SKETCH PISTON』をさらに発展させシリーズ化し、いろんなコーポレートサイトに実装していきたい」と熱く語る猪子氏。そんな猪子氏をニコニコと見つめるタナカ氏は「ゲームでもマンガでもない、こういったインタラクティブなおもしろさは、まだ名前がついていない新しいエンターテイメント。ユーザーが自由に遊び方を見つけて広がっていくので、これからまだまだ発展していくだろう」と話す。「誰もがおもしろいことに参加できる」Webインタラクティブの明るい未来を感じさせるセッションとなった。

辻川幸一郎×伊藤直樹
~Webにおける映像的アプローチの現状と未来
映像をテーマにWebの今と未来を考える場となったのが、辻川幸一郎氏と伊藤直樹氏(GT INC.)によるセッションだ。辻川幸一郎氏は、コーネリアスのほとんどの作品を手がけていることで広く知られている映像クリエイター。一方の伊藤直樹氏は「NIKE COSPLAY」や「UNIQLO MARCH」を手がけた辣腕のクリエイティブディレクターである。セッションは「Webのことをまったく知らない」と話す辻川氏が、Webの最新事情について伊藤氏に質問するところから始まった。


映像クリエイターの辻川幸一郎氏
Webはテレビと違い、さまざまなフォーマットが存在する。そのため、もはや映像編集における“マスターモニタ”という概念も危うくなっている状況だと語る伊藤氏。さらには、スタートしたら終わるまで観客は手放しで観ていられる、いわゆる従来の「映像」とは違い、「UNIQLO MARCH」のようにユーザーが自由に映像に寄ったり引いたりすることができる、インタラクティブ性をもったWeb上での映像コンテンツについて、伊藤氏みずからが「時々そのインタラクティブ性が“間違った自由”で、演出不在ではないかと思うことも……」と率直に告白する場面も。まさにWebインタラクティブの最先端の場で模索を続けるクリエイターならでは生の声がそこにはあった。


クリエイティブディレクターでGT INC.所属の伊藤直樹氏


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