「マイクロソフトの次世代検索サービス『bing』──後編」
「マイクロソフトの次世代検索サービス『bing』──後編」
2009年6月29日
TEXT:小川 浩
(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)
bingは“意思決定エンジン”
前回紹介したように、マイクロソフトの新検索サービスbingは順調にアクセスを伸ばしているようだ。マイクロソフト自身、bingを“a decision engine”(意思決定エンジン)として紹介しているように、「キーワード検索」のGoogleに対して、bingが「セマンティック検索」であることを強くアピールしている。約1億ドルもの販促費を投じているのもその自信のあらわれであろう。
ニューヨークポストの記事によれば、Googleもbingには強い警戒心を抱いているようであり、少しでも検索シェアが落ちれば、自身のドル箱である検索結果広告事業に大きな影響を与えるために、どんな挑戦者に対しても対抗意識をむき出しにしている。
Googleとbingの関係性について報じるニューヨークポストの記事
http://www.nypost.com/seven/06142009/business/fear_grips_google_174235.htm
キーワード検索の分野でGoogleに勝つことは容易ではないが、キーワード検索そのものを時代遅れにしてしまえば、Googleの優位は崩れる。bingの狙いはそこにある。
セマンティック検索と並ぶ新しい脅威は「リアルタイム検索」
Googleが大きな脅威に自身がさらされていることに気づいている証拠はもうひとつある。それはTwitterの台頭に対して非常に過敏になっていることだ。
Twitterが世界的にトラフィックを伸ばし、リアルに起きた事件をWeb上にアップロードするインターフェイスとして人気を博すと、いま起きていることをリアルタイムに検索する機能が重宝されることになる。Twitterはこのニーズを理解し、「リアルタイム検索」サービスの構築に大きな投資をかけ始めている。
Twitterも「リアルタイム検索」サービスの構築に注力している
リアルタイム検索といえばTechnoratiに代表されるブログ検索がはじめは評価を受けており、Googleは自身のブログ検索サービスの投入によって苦しみながらも、追いつき追い越すことに成功した。しかし、Twitterの情報の更新頻度はブログの比ではなく、Googleのブログ検索では、いまのところTwitterの検索サービスの更新速度に追いつけずにいる。
今後はさらに、“リアルタイムなセマンティック検索”という、理想的なハイブリッド検索へのニーズも広がるはずであり、数年前に勝負あったと思われた検索サービス市場は、再び非常にホットな業界になりつつある。
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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。