1 ケータイ向けSEO対策はPC向けのものとどこが違うのか - 今“ 知っておくべき”ケータイサイト制作事情 第2回 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

1 ケータイ向けSEO対策はPC向けのものとどこが違うのか - 今“ 知っておくべき”ケータイサイト制作事情 第2回

2024.5.3 FRI

【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

ケータイサイト制作・運用からマーケティング活用まであらゆる情報を網羅!

今“ 知っておくべき”ケータイサイト制作事情

第2回

1 ケータイ向けSEO対策はPC向けのものとどこが違うのか

ケータイにはケータイの検索エンジンの法則がある

ここ最近、携帯電話(以下、ケータイ)を突然さっと取り出して、Webでキーワード検索をする人が急増している。辞書代わりに利用する人、暇つぶしに使う人、「続きはWebで」というキャンペーンに出会うとその場で必ずケータイを開く人と、その用途もさまざまだ。1日の間、ユーザーの30センチ以内にあることが多いケータイで、いつでもWebサイトに接続でき、調べたい情報が手に入るのだから、そのような活用のされ方をすることは当然といえば当然のことかもしれない。こういった利用に拍車をかけた、各キャリア公式ページへの検索エンジン設置は2006年夏から始まった。その後、ケータイの検索エンジン利用数は順調に増えており、NTT docomoのiMenuページ来訪者の6割はキーワード検索を利用しているという。今後も利用者数はさらに伸びていくものと予測される。PC向けWebサイト同様、検索エンジンとどう付き合っていくかはケータイサイト制作をするクリエイターにとっても無視できない問題だ【1】。

キャリア公式ページに設置された検索エンジンのおもしろいところは、検索結果に公式サイトはもちろん、一般サイト(勝手サイト)もきちんと表示されることだ。またPC向けWebサイトを、検索エンジンがケータイ用にコンテンツを自動変換して表示する機能も付いている。ケータイからの検索の利便性をアップさせるためのさまざまな工夫がなされている。

図1
【1】キャリア公式トップの検索結果は各社ごとにカスタマイズされているため、NTT docomoやau、またGoogleが直接提供する検索サービスとでは検索結果のコンテンツは異なる


昨今注目が高まるモバイルSEO対策

ここ2年ほどの間で、ケータイサイト制作の現場で話題にされているのがモバイルSEO対策だ。

SEO(Search Engine Optimization)とは特定のキーワードで検索したときに上位表示させるためのサイト制作テクニックだが、ケータイサイトには独特の制約や運用ギミックがある。そのため、PC向けのSEOとは異なるテクニックやロジックが必要とされる。その注目度は高く「ケータイSEO」と掲げたセミナーや書籍は軒並み大人気になるほどだ。SEOのコンサルティング企業は相当な繁盛をしているとも聞く。筆者はSEOのプロではないし、限られた誌面の中でその対策のすべてを紹介することはできない。ここでは、いろいろな情報を基にした一般Webサイト向けのSEO対策の「まとめ」を3つのポイントから紹介していく。


クローラーの最適化

まず、ケータイSEO対策の「まとめ」のひとつ目を説明しよう。SEO対策の中身を大別すると「PC向けSEOと同様な対策」と「ケータイSEOならではの対策」の2種類がある。後者のうち、もっとも注意すべき事柄の筆頭はクローラーを正しくインデックスさせるための対策だ【2】。ケータイサイトではPCからのアクセスを遮断したり、アクセスする携帯端末に応じてページやコンテンツを最適化するプログラムが裏で動いている。

また、ケータイではCookieを利用できないため、URLにセッションパラメータを付与してセッション管理をするケースが多い。これらの振り分けやURL記述をクローラーに最適化させておかないと、ページがインデックスされなかったり、誤ったコンテンツがインデックスされたりする。また、ページのドキュメントタイプ設定に不備があると、せっかくインデックスされても誤ってPC向けコンテンツとして認識されることがある。検索順位を気にする前に、まず検索エンジンにケータイサイトとして正しくインデックスさせる基本的な部分を押さえよう。各クローラーの特徴をきちんと理解して対応し、Webサイトが正しくインデックスされているかの確認も怠らないようにしよう【3】。

図2
【2】PCとケータイのアクセスの区別に、アクセスされたIPアドレス帯域による判別ロジックを導入している場合、クローラーのアクセスを排除してしまう。別途クローラーのアクセスを許可するロジックが必要

図3
【3】当連載の1回目でケータイサイト制作はASPの利用がおすすめだという話をしたが、ASPを選ぶ際にはケータイクローラー対策はどうなっているかを必ずチェックしておこう。きちんと対策が施されたASPを導入すれば心配も不要だ


外部施策よりも内部施策を

ここでは、ケータイSEO対策の「まとめ」のふたつ目について述べる。SEOのプロに聞くと「ケータイ用検索エンジンの順位判定ロジックは、PC用ほどは安定していない」という。いちばん確実なのはユーザーにとって有益なコンテンツをそろえ、正しく配置することだ。妙なテクニックよりも基本に忠実なSEO対策が“結局は近道”ということになる。ただ、ケータイ検索エンジンの一般的な傾向として、被リンクなどの外部施策よりも内部施策̶̶クローラーへの最適化、タイトルタグやメタタグ、サイト内リンク、キーワード施策、サイトマップ、ボリュームなどの効き目が高いらしい、PC用の内部施策テクニックを参考にできる。


SEOへの過剰な依存に注意

3つ目は、実質的な集客効果を高めるという視点から、どのケータイSEO対策関連の記述にも載っていないポイントをひとつ紹介したい。ケータイサイトは基本的にユーザーの“ひまつぶし”コンテンツだ。この性質から、仮に人気キーワードのSEOに成功して上位表示を実現し、サイト来訪者が増えたとしても、ユーザーに引っ掛かりを提供できなければ結局はスルーされてしまう。SEOに成功して来訪者数も伸ばしたのにビジネスにつながらないと、最悪サイトが閉鎖に至るケースもある。ユーザーがケータイサイトを熱狂的に利用しているという事例は少なくないが、それはコンテンツや提供企業に対して「自分に関係がある」と納得してからの話だ。つまり、SEOと同時にランディングページの最適化、リアル接点も含めたユーザーとの関係構築が重要な鍵を握る。事実、ケータイマーケティングに成功している企業はSEOやLP施策と同時に、リアル空間でのブランディングや信頼関係構築にも手数をかけている。SEOは大切だが、リアルでの施策とのバランスを考慮して対策を打つことではじめてビジネスにも直結してくるといえる。


[INDEX]
>>>  1 ケータイ向けSEO対策はPC向けのものとどこが違うのか
>>>  2 ケータイ向けSEMはより戦略的に活用すべき
>>>  3 ケータイサイトのアクセス解析は他メディアとの連携がカギ


twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

この連載のすべての記事

アクセスランキング

8.30-9.5

MdN BOOKS|デザインの本

Pick upコンテンツ

現在