第8回 Phase2 デザイナーやマークアップエンジニアに どのように指示を出せばよいか - 思考するWebディレクション | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第8回 Phase2 デザイナーやマークアップエンジニアに どのように指示を出せばよいか - 思考するWebディレクション

2024.5.3 FRI

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Phase 2 デザイナーやマークアップエンジニアに
どのように指示を出せばよいか

業種別に見る指示の
特徴と注意点とは

ここでは、Webディレクターが指示すべきポイントをそれぞれの業種別に整理して紹介する。
Webデザイナーの場合
Webデザイナーに対してデザイン指示をする中で押さえておきたいのは「雰囲気」、「伝達性」、「機能性」という3つの要素だ。雰囲気は全体的なテイスト、色味、大まかな画面サイズなどWebサイトのトータルの質感とバランスを指す。伝達性は情報を入れ込む順番やメッセージが持つインパクトのことだ。機能性はユーザビリティを軸に考えた、コンバージョンへの導線を指す。この3つのポイントを押さえて、わかりやすいデザイン指示を出そう。制限をかける点としては、コンテンツ配置、画面サイズ、文字サイズ、ナビゲーション順序など、誘導の要を握る部分を中心に行おう。
マークアップエンジニアの場合
マークアップエンジニアに対する指示は、コードを組むうえでのルール化がすべてといっても過言ではない。ルール化の効果が大きく表れるのは、公開前よりもむしろ公開後の更新運用時だ。コーディングのルール化がされていないサイトは中途半端に自由度が残ってしまう分、運用するクライアント側のWeb担当者にはストレスとなる。また、新たなSEO対策導入やコンテンツ拡張などにも不適合で発展させにくいものになってしまうので気をつけよう【3】。制限をかける点としては、エリア分割、タグの使い分け、ネーミングなど、更新運用を考慮してルール化を行おう。
Webプログラマーの場合
プログラムは価値観や好みには左右されにくい。そのため正否が判断しやすく指示も出しやすい。極論を述べてしまえば、きちんと動けばよいということになる。制限をかける点としては画面遷移、バックヤードの流れ、DB連携などである。無駄を徹底的に省いた矛盾のないプロセスを念頭に置こう。
Flashクリエイターの場合
Flashクリエイターに対する指示は、アニメーションとスクリプトの2点から行う【4】。サイトの入り口に設置するアイキャッチを例にとった場合、写真やキャッチコピーなどオブジェクトごとの動き方(アニメーション)、さらにマウス操作時のロールオーバーアクション(スクリプト)をそれぞれ指示していく。簡単なスプラッシュページ程度であれば、参考サイトの動きを見せるだけでも伝わる部分が多い。しかし、大がかりな裏方の制御を必要とするActionScriptメインのFlashを指示する場合には、事前に仕様の確認を徹底しよう。

指示をより確実な
ものにするためには

Webディレクターが与える指示と、指示に従って作業するクリエイターのやり取りは“山登り”に例えられる。相手を麓(スタート地点)から目的地である頂上(ゴール地点)までどのように導くかということを思い浮かべてほしい【5】。ここでは、登山者の能力に合わせた誘導方法がいくつか考えられるだろう。たとえば、「ゴールが掲載されたマップを渡してあとは一任する方法」、「頂上の場所を具体的に伝え、どのルートを通るか指定する方法」、「ルートを指定し、歩き方、休憩のとり方、さらには事前準備に至るまで事細かに指示する方法」といったパターンだ。実際の山登りであれば、登山者は自分の能力と経験に合わせた選択をするだろう。しかし、Webサイト制作案件の場合には、Webディレクターが方法の選択から取り仕切る必要がある。
さらに注意しなければいけないのは進行中のフォローについてだ。プロジェクト開始時には予測していなかったトラブルが進行途中で起こることは十分考えられる。相手がどのようなルートをたどり、どのような問題を現在抱えているかをWebディレクターがいち早く察知することが必要だ。クリエイターが作業に専念できるようひとつひとつ問題を解決していくことが指示を確実なものとし、案件をスムーズに進行させていく。

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【3】ルール化の効果が大きく表れるのは、公開前よりもむしろ公開後の更新運用時といえる。
コーディングのルール化がされていないサイトは、新たなSEO対策導入やコンテンツ拡張などにも
不適合で発展させにくいものになってしまう

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【4】Flashクリエイターに対する指示は、アニメーションとスクリプトのふたつの観点から行う

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【5】麓(スタート地点)から頂上(ゴール地点)までどのように導くか。
Webサイト制作においてはWebディレクターが方法の選択から取り仕切る必要がある

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