
確か春ごろだったと思います。Twitter上である話題を目にしました。それは楽天市場で人気の商品のページデザインは「ユーザビリティ」とか「ブランディング」っていう視点でいかがなものか、という話です。
話題となったのはこのサイト。
「どこまでスクロールすりゃ注文できるんかい!」と、思わず突っ込みたくなる気持ちもわかります。
たしかに、デザインの定石的にはむごいかもしれません。「おしゃれ」からはほど遠い。ユーザビリティの視点から言えば突っ込みどころが満載。ま、重たいFlashを実装していない点だけはほめられるかもしれないけど。
しかし、僕はこれはこれで「アリ」だと思うのです。
僕はニールセン的なユーザビリティ論は昔から疑ってかかっています。それはネットコンサルティングなどという虚業を高く売るためにニールセンが広めた悪い宗教のひとつであると言っては言い過ぎかもしれませんが、まあ、「人の心」というものをよく知らない学者の戯言の類であるとはとらえています。参考にはしてもよいが、盲信してはいけないというのは、すべての学者の論説に共通する注意点ではないでしょうか。
僕たちは「広告」をつくっています。そして「広告」のもっとも基本的な役割は、それを見た人の「心を動かすこと」にあります。
ユーザビリティが心を動かすなら活かせばよい。しかし、それが動かすことができるのは「指先」がせいぜいで、「心」を動かすことができるのは「言葉」や「グラフィックや映像」でつむぎ出されるコンテンツそのもの。
つまり、CreativityはUsabilityを凌駕するのです。
上に記したカステラのサイトは、ユーザビリティに乏しくても、現実にユーザーにカステラを買わせる力がある。実際僕も買っちゃいました。「買ってみようかな」と思わせる力がある。このサイトにとって、それ以外に何が必要でしょう?
USTREAMがキテるとか、テレビよりTwitterが面白いなんて言ったってAKB48の総選挙のほうが世間的には大きな関心事になっていたりするのが現実。
うわべだけのデザインで格好つける前に、商品の本質をあぶり出して、いかに世間の関心を惹くコンテンツを創り出す、それが広告クリエイターの仕事なのではないかと思うのです。

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