オバマ大統領はソーシャルメディアマーケティングで再び奇跡を起こすのか(前編)
オバマ大統領はソーシャルメディアマーケティングで再び奇跡を起こすのか(前編)
2011年4月11日TEXT:小川 浩(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)
ソーシャルメディアマーケティングを語るにあたり、僕はつねに2008年の米国大統領選におけるオバマ陣営の選挙戦のやり方を最高峰として紹介している。
オバマ陣営の選挙戦のやり方は、さまざまな分野で高度なソーシャルメディアを活用するための類型を生んだ。国際政治にあってはジャスミン革命のような形になり、そしていま僕たちが取り組んでいるように企業活動、特にマーケティングにおけるすぐれた類型を直に生み出せるところまで、その影響は広がっている。
そして、2012年の大統領選挙にむけてオバマ選挙チームの公式サイトも動き始めた。2008年には芸術的なソーシャルメディアマーケティングの冴えを見せてくれた彼らだが、リーダー格であったクリス・ヒューズ(元Facebook創業者のひとり)を欠いたうえに、世論の風向きも悪い中、再び奇跡を起こせるか注目を集めるところだ。
前回の選挙戦ではヒラリー・クリントンの知名度の高さの前に、泡沫候補扱いされてのスタートであったわけだが、今回は違う。現職の大統領として挑戦を受ける立場であり、他の候補を圧倒したソーシャルメディアマーケティングのテクニックも白日の下にさらされ、研究し尽くされ、どの候補も同じような手法を採用することができる。4年前とは違う新しい技術を生み出し、効能を実証することができるのだろうか。
今回のオバマ選挙戦用サイト(http://www.barackobama.com/ 以下、OBAMA2012)のテーマは“Get Involved”だ。「オバマ陣営のサポートの一人として参加するか?」という問いかけである。サイト自体はかなりFacebookに依存したつくりになっている。実際、OBAMA2012の基本的な機能は、Facebookコネクトを利用してOBAMA2012と自分のFacebookアカウントをリンクさせ、OBAMA2012についての情報を自分のウォールを介してシェアすることだ。
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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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