モナ・リザの推定年齢は30歳!? How-Old.netで名画を診断!
モナ・リザの推定年齢は30歳!? How-Old.netで名画を診断!
2015年05月11日
TEXT:草野恵子
TEXT:草野恵子
いま話題の年齢判定サイト「How-Old.net」(http://how-old.net/)をご存知だろうか。先月、アメリカ・マイクロソフトが機械学習ツールやビジネス分析ツールのデモ用に公開した、顔写真から年齢と性別を判定するWebページだ。使い方はいたってシンプル。写真を選ぶと、そこに写っている顔を認識し、瞬時に性別と年齢を表示するというもの。既に連休中に、自分や友達の写真を使って遊び倒した方も多いのでは? そこで、ここでは、あえて「絵画」で年齢や性別がどの程度認識されるのかを試してみた!
世界でいちばん有名な美女、ご存知、レオナルド・ダ・ヴィンチによる傑作《モナ・リザ》。描かれたモデルについては諸説あり、未だ多くの謎に包まれて人々を魅了してやまない。《モナ・リザ》は「How-Old.net」によると、推定年齢「30歳」、性別は「女性」と判定された。《モナ・リザ》に描かれている人物は、まつげも眉毛もはっきりとせず中性的とも言える雰囲気なのだが、その柔和な顔立ちが「女性」と判断する基準となったのか?
アラサーと判定された《モナ・リザ》だが、“いかにも若い女の子”の絵だったら?ということで引っ張りだしたのが、かのフェルメールの傑作《真珠の耳飾りの少女》。この作品も、モデルについては諸説入り乱れていて謎に満ちた一枚だが、振り向きざまの一瞬をとらえた自然な表情は、まさに少女のみずみずしさに満ちている。判定結果は、なんとモナ・リザと同じ「30歳」! 絵画のタイトルが「少女」というくらいなので何となく10代を想定していたのだが。やはり絵画を判定するには無理があるのか?
気を取り直して、今度は日本でいちばん有名な少女、教科書でお馴染みの「麗子像」を取り上げてみたい。大正時代に活躍した画家・岸田劉生(1891-1929)が娘を描いた作品で、彼は麗子が15歳になるまで、現存するだけでも50点の麗子像を描いたと言われる。麗子は1914年生まれということなので、この絵が描かれた頃はおそらく「7歳」。それなのに、なんと判定は「25歳」!! どうやら絵画で無理やり判定しようとすると、年齢が高く出る傾向があるのか?
では、男性を描いた絵画だったら? 選んだのは17世紀を代表する画家「レンブラント」と、不遇の中、37歳で亡くなってしまった「ゴッホ」の自画像だ。レンブラントの判定は「37歳」。30代半ばでちょうど画家として成功し、脂ののっている時期に制作された一枚なので、判定はほぼ合ってると言えるかも。一方のゴッホは、なんと「74歳」。この作品を描いたのは彼が34歳前後のことなので、倍以上の年齢判定となる。悩み多き表情が年齢以上に老けて見せたのか?
ここで、ふと疑問が浮かんだ。複数の人々が描かれた絵画では、どれほどの人数が顔認識されるのだろう? どうせなら難易度高めのものをやってしまえと選んだのが、かのレンブラントによる《夜警》。縦3メートル63センチ、横4メートル37センチの巨大な絵画だが、あの陰影が効いた複雑な人物描写をものともせず、なんと半数近い「11人」の顔をしっかり認識。よくもまあこんな小さい顔まで…と思わず笑ってしまった。全体的に暗い色調のせいか、高齢気味になっているのはご愛嬌!?
なお、実は同じ絵画でも使用する画像によって、微妙に年齢判定がズレる。どうやら、画像の明暗やピクセルサイズなども判定を左右するようだ。ちなみに、ムンクの《叫び》は「Couldn’t detect any faces.」ということで認識されなかった。さすがに無理か。あ、ピカソの《泣く女》はどうなんだろう…。