「マイクロソフトの次世代検索サービス『bing』──前編」
「マイクロソフトの次世代検索サービス『bing』──前編」
2009年6月22日
TEXT:小川 浩
(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)
米Yahoo!を抜き、検索第2位へ
マイクロソフトの新検索サービス「bing」が話題を呼んでいる。
米国では既にYahoo!を抜き、第2位の検索サービスに躍り出ている。登場した直後は、多額の広告投資によるジャンプアップ化とみられて一時的にシェアを落としたものの、その後復活し、安定したアクセスを集めているようである。
マイクロソフトの新検索サービス「bing」
http://www.bing.com/
bingの日本語版では、現状以下の検索機能を使用することができる。
・Web検索
いわゆる通常の検索
・画像検索
写真などの検索
・動画動画検索
YouTubeやDailymotionなどの有力動画共有サイトの検索
・ニュース検索
メディアからのニュース検索
・地図
Google maps同様のサービス
・相談箱
MSN相談箱からの検索。Yahoo!アンサーのような人力検索。
・xRank
有名人やニュースからのトピック検索。
次世代検索の特長
bingも、あるいはbingに先駆けて登場した多くの検索サービスベンチャーも同様だが、Googleに勝つには彼らと同じようなアプローチをしていてはいけないことに気づいている。Googleが採用しているいわゆる“キーワード検索”では、Web上の統計データに基づいてWebを解析しており、たとえばWebページ同士のリンクや、頻出するキーワードなどの関連を調べたうえて検索結果を返そうとする。
これに対して次世代検索を謳う後続の挑戦者たちは、「セマンティック検索」と呼ばれる(別名では「自然言語検索」とも呼ばれる)、Webや文書上の単語の意味を解釈して、最も関連性の高い結果を返すやり方を選ぶ。
bingもこの一種と思われ、実際マイクロソフトは去年サンフランシスコの自然言語検索ベンチャーPowersetを買収している。
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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。