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担当プロデューサーに聞く intely開発の真の狙い(後編)

2024.4.26 FRI

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 スポットインタビュー 
担当プロデューサーに聞く
intely開発の真の狙い(後編)


Amebaやアメーバピグなど、エンターテイメント性の高いWebコンテンツを展開するサイバーエージェントが、2012年8月22日にローンチした新たなSNSサービス「intely」(インテリー)。今までのコンテンツとは打って変わって、ビジネス色の強いサービス。同様のSNSとしては先行のLinkedInがあり、またSNSサービスには巨人Facebookも存在する中、あえて新しいサービスをローンチした狙いは何なのであろうか? 今回、intelyのプロデューサーを務めている渡邊大介さんに、intelyを開始した真の狙いを伺った。

>>> 前編:「intely開発秘話」

渡邊大介さん [プロフィール]
株式会社サイバーエージェント
新規事業開発室 プロデューサー/アドマン
渡邊大介さん

青山学院大学国際政治経済学部を卒業後、2006年にサイバーエージェントに入社。アカウントプランナーとして大手飲料、保険、通信系クライアントのウェブキャンペーンプランニング、デジタルマーケティング業務支援に携わり、その後、ソーシャルウェブを基軸としたマーケティング/プランニング組織・SMM Div.を立ち上げ、事業責任者に就任。2011年10月よりビジネスSNS「intely」の企画開発に従事。

アイコン intelyとは

2012年夏、サイバーエージェントが新たにサービスインしたSNSサイト。ビジネスに特化したSNSとして、開始当初から著名人などが参加し、ビジネス周辺のさまざまなメッセージがエントリーされている。同サービスのトップページあるように、intelyには“その道の権威”からの情報発信やさまざまな専門グループでの議論・情報交換を行うことで、そこに集う人々の知の集積と活性化を促すことを目指している。
オフィシャルサイト:http://intely.jp/



 Interview 

競合がひしめく中、なぜintelyを開発したのか?


――前回、LindedInとの住みわけという話がありましたが、具体的にはどのように差別化を?

渡邊氏 渡邊●こと日本国内においては、LindedInには“仕事”もしくは“転職”といったキーワードで語られることが多いと思います。実際、企業の人事担当者がチェックしているという話もありますし。ただ、Amazonの書籍売上などを調査すると、“転職”というワードよりも“人脈づくり”や“勉強”などのワードが絡む情報の方が格段に多いのです。つまり、日本においては“転職”以前に、まずは自分自身を磨き上げることへの関心が高いといえます。

――intelyでは、そこを狙っていると?

渡邊●intelyではビジネスに限らず、あらゆる分野での知の集積とシェアを行えるようになっています。ネットワーキングという機能では、ユーザーが自由にテーマを設定してディスカッションすることができます。すでに多くのネットワーキングが立ち上がっていますが、そこには専門的な知識をもった人も多く参加しており、より深い“知”を得ることもできるはずです。

ネットワーキングでは、広範囲な分野のテーマが用意されている
ネットワーキングでは、広範囲な分野のテーマが用意されている
――ビジネスにも生かせる情報が集積されていくということでしょうか?

渡邊●intelyのユーザーにはいくつかの層があると考えています。大きくは情報を発信する層と、収集する層。著名企業の代表など、いわゆるトップオブトップのエントリーも多くありますが、そういった方々のエントリーをフォローするユーザー層が大半を占めています。しかし、やがてその中から情報発信層へ移行するユーザーも増えてくるでしょう。そして、さらにそれをフォローするユーザーもまた増えていくわけです。

――知の集積と考えた場合、投稿される情報の品質確保についてはどのようにお考えでしょう?

渡邊●現状、情報検閲などは考えていません。もちろん、情報商材の売り込みなどもあると思いますが、ユーザーご自身の分別により必要とされていない情報は淘汰されていくと考えています。もちろん、過激なマルチポストなどに対してはなんらかの対策を考えなければならないと思いますが。ただ、いま言ったように、intelyのユーザーの関係性はフラットではありません。情報発信者側には情報の信頼性という意味での自浄作用も働きます。単なる“つぶやき”ではなく、ある意味、発言するに際しての敷居を少し高くしているのです。

――公開から2カ月で、ユーザー数などの利用状況は?

ユーザー別、ネットワーキング別ランキングなどが用意されている
ユーザー別、ネットワーキング別ランキングなどが用意されている
渡邊●9月にプレスリリースを打った以外にあまり宣伝はしていませんが、現時点ですでにユーザー数は1万人を超えています。また、アクセス解析ではデイリーでの利用率が45%以上、リピーターが85%以上と、おかげさまで高い反応を得ています。特徴としては、23時以降のアクセスが特に多く、リアルタイム性の強いTwitterやFacebookとは違ったユーザー特性がありますね。どちらかというとブログユーザーに近い印象で、一日の終わりにゆっくりとアクセスされているのだと思われます。

――今後はどのような機能拡充を考えられているのでしょうか?

渡邊●intelyでは、すでにランキング機能を実装して人気のユーザーやネットワーキングがわかるようになっていますが、これにインターネット上での発言の影響力の指標のひとつであるKloutを取り込もうと考えています。エントリーされる情報に対して、intely内だけでなく、より広い指標を取り込むことで中立性・公正性を確保していきたいと思います。


(取材・文:久保靖資)


>>> 前編:「intely開発秘話」

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