メディア革命を率先するプラティシャーモデルの参加条件(前編)
メディア革命を率先するプラティシャーモデルの参加条件(前編)
2014年10月14日
TEXT:小川 浩(シリアルアントレプレナー)
世界的にメディア革命が起きている。中でもプラティシャーと呼ばれる、メディアであると同時に、そのCMSをサービスとして一般に公開するという過激な変化にトライする企業が増えてきていることに僕は注目している。
そもそも旧来のメディアは、訓練を受けた記者(コンテンツを集める人)と編集者(コンテンツを選りすぐる人)たちによる、閉ざされた空間であったはずだ。それが一般の消費者にでも門戸を開けることは、非常に大きな変化である。
TEXT:小川 浩(シリアルアントレプレナー)
世界的にメディア革命が起きている。中でもプラティシャーと呼ばれる、メディアであると同時に、そのCMSをサービスとして一般に公開するという過激な変化にトライする企業が増えてきていることに僕は注目している。
そもそも旧来のメディアは、訓練を受けた記者(コンテンツを集める人)と編集者(コンテンツを選りすぐる人)たちによる、閉ざされた空間であったはずだ。それが一般の消費者にでも門戸を開けることは、非常に大きな変化である。
世の中の傾向として、プリントからデジタルへの変遷やPCからモバイルへの変遷が挙げられる。さらにデジタルメディアの中にあっても、検索エンジンに大きく依存したWebサイトは失速し、ソーシャルメディアからの支持を受けるWebサイトが伸張するという変化が起きている。
その背景にあるものが、ソーシャルストリームだ。ソーシャル化とモバイル化によって、我々が時間の変化に伴い、位置を変えつつ情報をアップロードするようになり、人間関係と位置情報に大きく影響を受けながら情報は時系列に流れている。その流れこそが、ソーシャルストリームである。
一般のユーザーはソーシャルストリームに流れてくる情報を受動的に眺め、偶発的に自分の好みに合った情報のリンクをクリックするようになっている。いまやトラフィックの主役は検索ではなく、ソーシャル上で偶発するセレンディピティ(なにかを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能をさす)なのである。
このソーシャルストリームによって、前述のようなメディアの変化が起きているわけだが、メディア自身が目指す最新のトレンドとして、注目されているのがほかならぬプラティシャーだ。
その中でも、日本ではまだ本格的な予兆が見えていないが、世界中でプラティシャーモデルへの進化を目指す企業が急速に増えている。プラティシャー(プラットフォームでありパブリッシャー)という用語が業界のバズワードになっているかどうかは曖昧なところだが、定義されるところの構造自体は明確だ。シンプルに言えば、CMSを誰でも使えるように公開しているオープンプラットフォームであること。同時にコンテンツを制作して発信しているパブリッシャーであること、だ。
単にプラットフォームをオープン化して、さらにみずからメディアとしてコンテンツを配信するというと、アメブロもそうだし、いま話題のFC2やライブドアブログなどもそういえるだろう。
しかし、僕としては彼らのようなブログプラットフォームをプラティシャーと呼ぶには、どうにもはばかりがある。空を飛ぶからといってコウモリと鳥類と呼ぶわけにはいかない。見た目だけの共通点をもって、構造的な違いを見過ごすことはできないだろう。
後編はこちら>メディア革命を率先するプラティシャーモデルの参加条件(後編)
その背景にあるものが、ソーシャルストリームだ。ソーシャル化とモバイル化によって、我々が時間の変化に伴い、位置を変えつつ情報をアップロードするようになり、人間関係と位置情報に大きく影響を受けながら情報は時系列に流れている。その流れこそが、ソーシャルストリームである。
一般のユーザーはソーシャルストリームに流れてくる情報を受動的に眺め、偶発的に自分の好みに合った情報のリンクをクリックするようになっている。いまやトラフィックの主役は検索ではなく、ソーシャル上で偶発するセレンディピティ(なにかを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能をさす)なのである。
このソーシャルストリームによって、前述のようなメディアの変化が起きているわけだが、メディア自身が目指す最新のトレンドとして、注目されているのがほかならぬプラティシャーだ。
その中でも、日本ではまだ本格的な予兆が見えていないが、世界中でプラティシャーモデルへの進化を目指す企業が急速に増えている。プラティシャー(プラットフォームでありパブリッシャー)という用語が業界のバズワードになっているかどうかは曖昧なところだが、定義されるところの構造自体は明確だ。シンプルに言えば、CMSを誰でも使えるように公開しているオープンプラットフォームであること。同時にコンテンツを制作して発信しているパブリッシャーであること、だ。
単にプラットフォームをオープン化して、さらにみずからメディアとしてコンテンツを配信するというと、アメブロもそうだし、いま話題のFC2やライブドアブログなどもそういえるだろう。
しかし、僕としては彼らのようなブログプラットフォームをプラティシャーと呼ぶには、どうにもはばかりがある。空を飛ぶからといってコウモリと鳥類と呼ぶわけにはいかない。見た目だけの共通点をもって、構造的な違いを見過ごすことはできないだろう。
後編はこちら>メディア革命を率先するプラティシャーモデルの参加条件(後編)
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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろ●シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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