世界で話題のつぶやきも配信! Twitterで注目の都内美術館まとめ
世界で話題のつぶやきも配信! Twitterで注目の都内美術館まとめ
2015年6月30日
TEXT:草野恵子
TEXT:草野恵子
2015年3月、一週間にわたり、Twitter上で「#ミュージアムウィーク(英語タグ #MuseumWeek) 」 が開催された。「#ミュージアムウィーク」とは、全世界の美術館や博物館が対象となるTwitter内のアートのイベント。第二回目となる今年は、合計77カ国、2,800団体に及ぶ美術館の公式アカウントが「中の人」ならではのマニアックな情報を続々と発信して話題を呼んでいた。日本でもTwitterを活用する美術館は多く、展覧会の案内はもちろん、所蔵作品などを画像付きで紹介したり、周辺情報や英語によるつぶやきなど、それぞれ工夫を凝らしている。今回は、日常的にTwitterでの発信を活発に行っている美術館の中から、東京都内にある、とりわけ注目すべき美術館を厳選してご紹介!
■太田記念美術館(原宿)
@ukiyoeota
https://twitter.com/ukiyoeota
3月の「#ミュージアムウィーク」終了後、リツイートされた数を競う世界の美術館ランキングが発表された。フランスのルーブル美術館、オルセー美術館に続き、世界のトップミュージアム5位に輝いたのが、東京・原宿にある「太田記念美術館」だ。同館は浮世絵専門の私設美術館。実業家・五代目 太田清蔵氏のコレクションを基盤に、約1万4千点の浮世絵関連のコレクションを所蔵している。国内では浮世絵好きなら旧知の美術館だが、ルーブル美術館やオルセー美術館のフォロワー数に比べると、明らかに少ない。にもかかわらず世界のトップ5に輝くことができたのは、作品についての突っ込んだ説明とともに、鮮明でわかりやすい人気の浮世絵画像を発信し続けたことにある。本記事のトップに掲載した歌川芳員の作品は、太田記念美術館のTwitterアイコンにもなっている「虎子石」の元ネタだ。「#ミュージアムウィーク」中にもっともリツイートされたのは、この元ネタを紹介するつぶやきだった。
「浮世絵の戦争画 -国芳・芳年・清親」
会場:太田記念美術館
会期:2015年7月1日〜7月26日(7月6日、13日、21日は休館日)
太田記念美術館の7月の企画展は「戦争」を題材とした浮世絵をテーマに行われる。浮世絵と言えばなんとなく享楽的なイメージがつきまとうが、意外にも江戸から明治にかけては「戦争」を題材にした浮世絵が多数描かれていたという。これまでまったく注目を浴びることのなかった浮世絵の戦争画をまとめて紹介する、意欲的な試みだ。
会場:太田記念美術館
会期:2015年7月1日〜7月26日(7月6日、13日、21日は休館日)
太田記念美術館の7月の企画展は「戦争」を題材とした浮世絵をテーマに行われる。浮世絵と言えばなんとなく享楽的なイメージがつきまとうが、意外にも江戸から明治にかけては「戦争」を題材にした浮世絵が多数描かれていたという。これまでまったく注目を浴びることのなかった浮世絵の戦争画をまとめて紹介する、意欲的な試みだ。
■東京国立近代美術館(竹橋)
@MOMAT60th
https://twitter.com/MOMAT60th
2012年に開館60周年を記念してTwitterを始めたのは「東京国立近代美術館」だ。1952年に「日本で最初の国立美術館」として誕生した同館は、皇居に近い北の丸公園に本館と工芸館、京橋にあるフィルムセンターの3館で構成されている。本館では、所蔵作品展「MOMATコレクション」を常時3フロアで行いながら、趣向を凝らした企画展を精力的に行っている。所蔵作品展であっても常設ではなく、年に4〜5回は展示替えを行っているため、いつ訪れても変化があって楽しめる。同館広報のTwitter公式アカウントでは、さまざまなイベント情報はもちろん、北の丸公園の様子など周辺情報も含めて発信されている。
「No Museum, No Life?―これからの美術館事典
国立美術館コレクションによる展覧会」
会場:東京国立近代美術館 企画展ギャラリー
会期:2015年6月16日〜9月13日(月曜休館/ただし7月20日は開館、7月21日)
現在、東京国立近代美術館 本館で行われている企画展は、美術館の構造や機能から着想を得た「AからZまでの36個のキーワード」に基づくもので、ハッシュタグは「#これからの美術館事典」。国立美術館5館の合同による企画なので、幅広くさまざまなジャンルの作品を鑑賞することができる。ルノワールやロダン、モネからアンディ・ウォーホル、マルセル・デュシャン、藤田嗣治、森村泰昌…と、時代もジャンルも多様で、広大なアートの事典の中を泳ぐように楽しめる。
国立美術館コレクションによる展覧会」
会場:東京国立近代美術館 企画展ギャラリー
会期:2015年6月16日〜9月13日(月曜休館/ただし7月20日は開館、7月21日)
現在、東京国立近代美術館 本館で行われている企画展は、美術館の構造や機能から着想を得た「AからZまでの36個のキーワード」に基づくもので、ハッシュタグは「#これからの美術館事典」。国立美術館5館の合同による企画なので、幅広くさまざまなジャンルの作品を鑑賞することができる。ルノワールやロダン、モネからアンディ・ウォーホル、マルセル・デュシャン、藤田嗣治、森村泰昌…と、時代もジャンルも多様で、広大なアートの事典の中を泳ぐように楽しめる。
六本木ヒルズ森タワー53階にある「森美術館」がTwitterを開始したのは、2009年10月のこと。2003年10月に開館した同館は、六本木の再開発プロジェクトにおける「文化都心」というコンセプトを元に、独自の切り口で現代アートを中心とした企画展を精力的に行っている。同館の公式アカウントは、日本語と同時に英語でのツイートを盛んに行っているところが特徴的。そこには、アジアにおける現代アートの重要な拠点としての自負が感じられる。2015年4月には館内をリニューアルし、常設の展示室を新設。多様なテーマに沿ってコレクションを紹介する「MAM(マム)コレクション」シリーズを新たにスタートさせたばかり。
「シンプルなかたち展 : 美はどこからくるのか」
会場:森美術館
会期:2015年4月25日〜7月5日 ※会期終了間近
現在、森美術館で行われている「シンプルなかたち展 : 美はどこからくるのか」は、同館リニューアルの第一弾を飾る企画展。先史時代の石器から現代アートの先鋭的なインスタレーションまで、古今東西の単純で美しい「シンプルなかたち」約130点を紹介。「美とは何か」をシンプルに問いかける展示は、アートファンならずとも楽しめるようになっている。7月5日までの会期なので、気になる方はお見逃しなく!
会場:森美術館
会期:2015年4月25日〜7月5日 ※会期終了間近
現在、森美術館で行われている「シンプルなかたち展 : 美はどこからくるのか」は、同館リニューアルの第一弾を飾る企画展。先史時代の石器から現代アートの先鋭的なインスタレーションまで、古今東西の単純で美しい「シンプルなかたち」約130点を紹介。「美とは何か」をシンプルに問いかける展示は、アートファンならずとも楽しめるようになっている。7月5日までの会期なので、気になる方はお見逃しなく!
2010年9月からTwitterをはじめた原美術館は、東京・品川の閑静な住宅街に建つ私設の美術館だ。実業家・原邦造の私邸だった建物を、美術館として開館したのが1979年のことで、以来、先鋭的な現代アートを紹介する展覧会を熱心に行っている。「#ミュージアムウィーク」期間中、リツイートが多かったのは、私邸の竣工当時の写真を掲載したつぶやきだった。魅力的な建物の内外には、奈良美智、森村泰昌、宮島達男、イサム・ノグチ、杉本博司ら、多数のアーティストのインスタレーション作品が、建築と一体化する形で常設展示されている。
現在、原美術館では、 20世紀を代表する巨匠、サイ トゥオンブリーの個展が開かれている。同展は、2003年にロシアのエルミタージュ美術館で開催され、イギリス、アメリカ、ドイツ、フランスと巡回した展覧会を再構成したもので、日本の美術館では初の個展となる。子どもの落書きのようにも見える自由な線で構成されたドローイングで知られるトゥオンブリーだが、実際に目にすると、内なるパッションが直に伝わってくるのが印象的だ。作品の一部は、原美術館の別館、群馬県にあるハラ ミュージアム アークの特別展示室でも展示されている。