平和を呼びかける「ヒロシマ・アピールズ」ポスターの2018年版が服部一成氏のデザインで完成
公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)と一般社団法人広島国際文化財団は、1983年から「ヒロシマ・アピールズ」を主催 / 実施しており、2013年からは公益財団法人ヒロシマ平和創造基金を加えた3団体での展開を続けている。これは、言葉を超えて“ヒロシマの心”を訴えるポスターを共同制作し、国内外に向けて平和を呼びかけるキャンペーン。シリーズ21作目となる2018年版のポスターは、グラフィックデザイナーの服部一成氏がデザインを手掛けている。
本キャンペーンでは、毎年JAGDA会員1名がポスターを制作し、広島市長に贈呈するとともに、国内外に広く頒布。B1判の仕様で、1枚1080円(2018年7月23日時点での税込価格)で一般販売され、広島平和記念資料館(原爆資料館)/ 広島市現代美術館 / JAGDA事務局 / JAGDA ONLINE SHOPなどで取り扱われる(限定2000枚)。
今年、服部一成氏がデザインした2018年版ポスターのタイトルは「疑問符、2018」。一見すると呑気なビジュアルのようでありながらも、73年の時を経てもなお“多くの問いかけがぽっかりと宙に浮かんだまま”である2018年の世界の風景が鋭く表現されている。
服部氏は、今回のポスター制作で資料に触れるにつれ、知っていたはずの広島の原爆に打ちのめされ、まずは「自分には広島を代弁する資格も力量もない」と自覚することから始めた。彼は、ポスターの成果とは別に、今回の制作で広島について考えた個人的な体験にも小さな意義があったという気持ちを抱いており、「広島が問うていることをそれぞれが考えつづける、その先に、今はまだ見えない何かがあるのだと思いたい」とのコメントを寄せている。
なお、このポスターは、歴代のシリーズ作品も含めて、各地で開催される展覧会でも目にすることが可能。7月24日(火)〜7月30日(月)には旧日本銀行広島支店(広島県広島市中区袋町5-21)で「ヒロシマ平和ポスター展 PIECES FOR PEACE 2018」、8月2日(木)〜8月7日(火)には前橋市芸術文化れんが蔵(群馬県前橋市三河町1-16-27)で「ヒロシマ・アピールズ ポスター展」、8月4日(土)〜9月2日(日)には21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3(東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン)で「ヒロシマ・アピールズ展」として開催される。
さらに、8月6日(月)〜8月19日(日)の期間には、広島市内の25カ所のバス停にて、「ヒロシマ・アピールズ」ポスター2018を拡大出力して掲示予定。