「Googleのモバイル施策──現実味を帯びる野望」 by. 小川 浩



「Googleのモバイル施策──現実味を帯びる野望」

2009年12月9日

TEXT:小川 浩
(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)


ケータイで撮影した画像を検索

最近Googleが発表した「Google Goggles」は、携帯電話で画像検索を行うサービスだ。画像にテキストが含まれる場合、OCR(光学文字認識機能)を使ってこれを解読することができ、またバーコードの読み取りも行える。

このサービスは、画像を“キーワード”として、その画像に関連するであろう情報を検索結果として返す。ある意味、セカイカメラのようにAR(仮想空間)にタグをつけて、液晶越しにその情報を見る、というメソッドより実践的だ。




Google Gogglesを紹介する米国Googleのページ
http://www.google.com/mobile/goggles/#landmark


音声検索

これまでは英語しかサポートしていなかった音声検索についても、日本語に対応した。

若干誤作動も多い感があるが、ゆっくりしゃべれば3回に2回は正確にキーワードを聞き取ってくれる。実用レベルにあると言えるだろう。


リアルタイム検索をサポート

さらにGoogleは、TwitterやFacebookなどの情報をメインとしたリアルタイム検索の提供を開始している。日本の一般的なケータイに対応する時期はまだわからないし、日本語にはまだ対応していないが時間の問題だろう。


これらの施策の意味は、GoogleがPCの検索からモバイル検索に本格的に取り組むことを宣言したとみていいだろう。リアルとWebの境目を、ハードとしてはモバイル機器が、そしてソフトとしてはGoogleが担う。いつでもどこでも世界中の情報を検索できるようにする。彼らの野望は限りなく現実味を帯びてきたといっていいだろう。



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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。
「Googleのモバイル施策──現実味を帯びる野望」
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