TwitterがTweetieを買収した背景とは



TwitterがTweetieを買収した背景とは

2010年4月12日

TEXT:小川 浩
(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)

米Twitter社がTweetieを買収したらしい。



atebits LLCのWebサイト
http://www.atebits.com/


Tweetieとは、iPhoneおよびMac OS上でTwitterの読み書きを簡便に行うためのクライアントアプリである(開発会社はatebits LLC)。

Twitter社自身がブログで明らかにした内容によれば、現在2.99ドル(日本円では350円)で販売しているiPhone用のTweetieは、数週間以内に「Twitter for iPhone」と名前を変え、無料アプリとして提供されるとのことだ。さらに、atebitsの開発者であるLoren Brichter氏は米Twitter社の開発チームに入る。彼は当面、iPad専用の投稿クライアントの開発に取り組むことになるだろうとのことだ。

Twitterのこの決断は、Twitter自身がTwitterクライアントの開発者になり、純正のiPhoneアプリを自分たちで出す、ということだ。これは他のTwitterクライアントの開発者との軋轢(あつれき)を生むかもしれないというリスクをはらんでいる。

今回の買収が、Twitterがなんらかのビジネスモデルを考慮しての行為なのか、それとも単にモバイルインターネットのトラフィックの劇的な向上に対する将来の手当なのかは、いまのところわからないが、位置情報とモバイルに関する彼らの関心の高さはすでに周知のことであり、数ヶ月以内になんらかの形で今回の取引の真意を振り返ることができることだろう。


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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。

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