KeynoteがPowerPointよりすぐれている3つの理由

KeynoteがPowerPointよりすぐれている3つの理由
2010年6月8日

TEXT:小川 浩
(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)

iPadがバカ売れして絶好調の米Apple社だが、ハードウエアだけでなく、ソフトウエアの開発においても優れた製品を出し続けている。その筆頭がプレゼンテーションソフトの「Keynote」だ。

米Apple社は「iWorks」という、Microsoft Officeに相当するビジネススイートを独自開発し販売している。表計算ソフトの「Numbers」、ワープロソフトの「Pages」、そしてプレゼンテーションソフトの「Keynote」だ。 Keynoteは筆者が思うに、PowerPointを遥かにしのぐ素晴らしいプレゼンテーションソフトだ。その理由は3つある。

ひとつ目はシンプルな操作感だ。Keynoteは機能自体はPowerPointと比べれば少ないが、そのかわり厳選されて本当に必要と思われるものだけに絞られている。そしてその直感的なインターフェイスによって、それら必要十分の機能をすべて使いこなせるようになっている。機能がいくら豊富でも複雑すぎれば使い切ることができず、無駄に終わるだけだ。

ふたつ目はその3Dエフェクトの美しさだ。さまざまなアニメーション処理のスムーズな動きはPowerPointにはない。

3つ目は何よりも価格の安さだ。PowerPointは15,000円前後だが、KeynoteはPages、Numbersを含むiWorksとして8,800円に過ぎない。Microsoft Officeであれば30,000円前後となる。さらにiPad用のKeynoteにいたっては1,200円という安さだ。

筆者は現在、ほぼすべてのコンピューティングをiPad上で行うようにしており、Keynoteによる資料作成とプレゼンもiPadのみで試行しているが、マウスではなく自らの指で操作することによって、プレゼンテーション自体の直感性を担保できると実感し始めている。

今後、iPadとKeynoteの組み合わせはプレゼンテーションツールの代名詞になるだろう。PowerPointをiPad上では使うことができないという物理的な制限のためでもあるが、それ以上に、ありとあらゆる情報を詰め込むことを想定してつくられたPowerPointと比べて、美しく魅せることにフォーカスしたKeynoteの良さが明確にわかるからでもある。



「Apple Keynote」

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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。

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