iPad2で市場を席捲するAppleに死角はあるのか

iPad2で市場を席捲するAppleに死角はあるのか 2011年5月2日
TEXT:小川 浩(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)

iPad 2がついに日本国内でも発売になった。カラーはブラックとホワイトの2色。同時にiPhone 4のホワイトバージョンもリリースされている。

スペックについては、いまさらここで解説するまでもないと思うので割愛するが、外部ディスプレイに画面を出力できるVGA完全対応と、カメラ機能がついたことが、やはり最大の変化だろう。

これまでのiPadでは、WebブラウザのSafariであっても外部ディスプレイへの出力がサポートされておらず、プレゼンソフトのKeynoteくらいしか出力できなかった。Macの活用として、大人数を前にしてのプレゼンをひんぱんに行う筆者としては、この機能の欠落はiPadのビジネス利用に大きな制約を設けるものだった。

また、タブレット型のデバイスにカメラがついたところで使い道に困るのではないかと思えるが、ホワイトボードに描かれた議事録や書類などをそのまま取り込めると思えば、意外なほどに便利かもしれない。

Appleは、最近Microsoftを時価総額、売上、そして利益の面でも抜き去った。その最大の貢献者がiPhoneであることはいうまでもないが、今後iPad 2がさらなるドル箱になる可能性は高そうだ。ネットブック、タブレット型デバイスを含む、広義のパソコン市場において、AppleはすでにDELLやHPに匹敵するシェアを持つ。iPad 2によって、彼らの勢いがどこまで伸びるかが非常に注目されるところだ。

日本国内では、ドコモはAndroid搭載のタブレットをスマートフォンの位置付けで展開しているが、タブレットはやはりネットブック市場を席巻し、再定義するべき筐体だ。iPhoneについては、ソフトバンクの回線品質の悪さからやや苦戦が囁かれるものの、タブレット市場においては、iPad 2は諸手をあげて市場から歓迎されており、死角は見当たらない。



iPad 2



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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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