第1回 コンテンツマーケティングの基本概念
第1回 コンテンツマーケティングの基本概念
「コンテンツマーケティング」という言葉は、バズワードとして流通していることもあり、その実態を正しく捉えている人はあまり多くありません。今回は本書のChapter1「コンテンツマーケティングの基本概念」より、コンテンツマーケティングと広告の違いと、コンテンツマーケティングの目的について確認してみましょう。
2016年6月24日/執筆:渡辺一男(株式会社日本SPセンター)
2016年6月24日/執筆:渡辺一男(株式会社日本SPセンター)
■広告とコンテンツマーケティングとの違い
◯メディアフラグメンテーション時代の広告のあり方
テレビCFや雑誌広告は、メディアが企画したテーマに興味を持って訪れた視聴者、読者に対して、時間的・空間的に割り込んでメッセージを展開するという手法です。
情報ソースが少ない時代であればこの手法は強力でしたが、メディアフラグメンテーション(断片化)といわれるように、現代の生活者はテレビを見ながらスマホなどでほかのコンテンツも断続的に消費しているため、広告メッセージに反応する確率が低くなっています。
また商品が単純で、搭載されている機能が少ない時代であれば、限られた時間内にワンメッセージで伝えるという手法は効果的です。しかし、ひとつの商品に数百の機能が搭載されている現代において、商品認知から“自分事化”してもらうまでをワンメッセージで行うのは限界がきている といえます。
◯最終的な売り込みは必要
コンテンツマーケティングというと「売り込まない」という目新しさが強調されることが多いため、そこを誤解して最後まで売り込まず、結局購入あるいはコンバージョンしなかったというケースも見受けられます。コンテンツマーケティングは見込客の買う気にあわせて提供するコンテンツを変化させていくべきであり、買う気が高まった見込客に対しては売り込みをかけても問題ありません。
何かを購入するという行為には、果たしてこれに決めてよいのかという不安が伴うため、最終的には誰かに背中を押してもらいたいものです。機が熟したタイミングでは、売り込みも適切なコンテンツ であることを忘れてはいけません【03】。
■集客と育成というコンテンツマーケティングのふたつの役割
◯集客フェーズ
コンテンツマーケティングを始めるにあたり、比較的着手しやすいのはブログです。ブログでは幅広いテーマでコンテンツを用意し、“困り事”が発生して漠然と解決策を検索している生活者に最適な記事を見つけてもらう ことを目的とします。
ブログはツリー構造ではないため、商品にまつわる幅広いテーマのコンテンツを発信し、反応をみながら方向を決めていくことができる点でも便利です。商品そのものの情報ではなく、商品に関連した役立つ情報が豊富に揃ったブログを用意しておけば、一度訪問した人が、今後も情報ソースとして参考にしてくれるようなウェブサイトになります。
コンテンツをより見つけやすくするためにソーシャルメディアを使って拡散するのもこのフェーズでは有効です【04】。
◯育成フェーズ②:比較・検討段階
商品やサービスに興味を持ち始めた見込客は、ほかに同様の商品やサービスがないか、比較検討を始めます。 この段階で数点の最終候補に絞られるわけですが、この候補に残るために差別化するための情報を提供する必要があります。自分の選択が間違いないことを確信してもらうために、買い方・選び方ガイド を用意したり、詳しい製品情報、デモ、無料お試しなどのコンテンツを用意したりすると効果的です【05】。
商品やサービスに興味を持ち始めた見込客は、ほかに同様の商品やサービスがないか、比較検討を始めます。 この段階で数点の最終候補に絞られるわけですが、この候補に残るために差別化するための情報を提供する必要があります。自分の選択が間違いないことを確信してもらうために、買い方・選び方ガイド を用意したり、詳しい製品情報、デモ、無料お試しなどのコンテンツを用意したりすると効果的です【05】。
以上で第1回は終了です。次回はコンテンツマーケティングの戦略の立て方について解説していきますので、お楽しみに。
なお、今回掲載した記事のほかにも、本書のChapter1ではトリプルメディア戦略やコンテンツプロモーションの必要性、マーケティング・オートメーションといったコンテンツマーケティングの基礎知識を解説しています。ご興味のある方はぜひご一読ください。
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なお、今回掲載した記事のほかにも、本書のChapter1ではトリプルメディア戦略やコンテンツプロモーションの必要性、マーケティング・オートメーションといったコンテンツマーケティングの基礎知識を解説しています。ご興味のある方はぜひご一読ください。
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「どのようなコンテンツが効果があるのか」、「コンテンツのアイデアはどう考えたらよいか」、「効果が上がらない時はどのように改善していくか」といったコンテンツの制作・拡散・チューニングの具体的なノウハウを解説。ビジネスゴールや商品タイプに応じてコンテンツマーケティングの手法を分類し、コンテンツの方向性や戦略の違いも詳説していますので、ご自身の環境に合わせて適切な手法を選べます。実務で役立つチェックシートもダウンロードできる実践的な一冊です。
●書籍ページ:http://www.mdn.co.jp/di/book/3215203010/
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