モバイルSNS「Path」がFacebookやGoogle+より勝るもの
モバイルSNS「Path」がFacebookやGoogle+より勝るもの
2011年12月19日TEXT:小川 浩(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)
150人限定の小規模コミュニティを作成するというコンセプトのもとに開発された、新しいSNSであるPath。元Facebook幹部であるデイブ・モリンやNapster共同創業者のひとりであるショーン・ファニングらによる創業ということで、多くの注目を集めていることは前に書いた。
日常的な距離感を保つユニークなSNS「Path」(前編)
日常的な距離感を保つユニークなSNS「Path」(後編)
Pathは、GPSを搭載したiPhoneまたはAndroid対応のスマートフォンにインストールして使うモバイル専用のソーシャルアプリケーションだ。繰り返すが、GPSを使った位置情報と登録された個人情報を組み合わせることで、リアルタイム性の強いソーシャルグラフをつくりだす。さらに、情報をシェアできる友人を150人までに絞り込むことで、必然的にリアルかつ親密な友人関係のみを登録させられる。だから、結果的にGPSをフル活用する非常にプライバシー性の高い情報(自分の所在など)でも、比較的気楽にシェアできるようになる。
Pathはスマートフォンに特化することで、PC用のインターフェイス(大きな画面+マウスによるGUI)を考えることなく、タッチパネルと指、もしくは音声などによるNUIに限定した操作感をもつアプリケーションをつくることに専念できる。
Webのデモを見ればわかるが、スマートフォン縛りの情報はテキスト、写真、動画、音楽、いまいる場所、そして時間を中心としている。これらを絵文字やかわいらしいアイコンと小気味よく動くアニメーション的な処理を用いて、とても分かりやすいインターフェイスで処理できるようになっている。
FacebookやGoogle+などの先行する巨大SNSは、PCを含むありとあらゆるインターフェイスでの利用、そして非常に多様な情報の処理を行うために、どうしても操作が複雑になりがちであり、そのすべての機能をモバイルに持ち込もうとすると無理が生じる。
その点Pathは、情報を共有できる人数と使うガジェットを絞り込むことで利用目的も限定できるから、インターフェイスもシンプルさを維持しやすい。
現在はインストール型のアプリでサービスを展開するPathだが、近いうちにHTML5に移行することも想定される。現在のエレガンスとシンプリシティをどう維持していけるかが見物だ。
Path
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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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