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アローラ退任に見る、ソフトバンクの後継者問題

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アローラ退任に見る、ソフトバンクの後継者問題


アローラ退任に見る、ソフトバンクの後継者問題

2016年6月27日
TEXT:小川 浩(シリアルアントレプレナー)


ソフトバンクの代表取締役副社長であり、孫正義社長の正式な後継者として任ぜられていたニケシュ・アローラ氏が突如退任したことが話題になっている。本来であれば2年以内にソフトバンクグループのトップの禅譲が行われるはずであったため、このニュースは世間に驚きを持って受け止められた。

ニケシュが不適切なやり方で、彼自身や特定グループに利益誘導をしたのではないかという嫌疑で、ある投資家グループから内部調査と彼の解任を求める書簡が届けられていたため、という見方もあるし、孫社長が自らの引退を早すぎると考えを改めたためとも言われるが、本当のところはわからない。

Googleの上級副社長だったニケシュ・アローラをソフトバンクが引き抜いたのは2014年。2015年には代表取締役副社長の地位につき、自他共に認める孫正義社長の後継者として世間にその名を知られるようになった。ニケシュは海外事業の統括責任者として、いくつかの海外投資に関わったとされるが、ソフトバンクグループのトップとしての資質については、その高い報酬に見合ってはいないという声が大きかったというのも事実だ。

ともあれ、ソフトバンクグループの成長は、孫正義社長の強力なカリスマと、直感的とも言える事業への嗅覚と決断の早さあってこそ、と考える人が多く、ニケシュに限らず、孫社長に成り替わることができる人材はそうはいないと誰もが思っている。事実、ニケシュ退任のニュースが報じられた後のソフトバンクグループの株価は上昇している。

カリスマ的な経営者と言えば、Appleのスティーブ・ジョブズが頭に浮かぶが、Appleの製品開発力や市場の開拓に、彼の直感と行動力に掛かっていたことを、今になって思い知らされている人々も多い。

ソフトバンクは決してクリエイティブな企業とは言えないが、市場の動きに敏感に反応して打つべき手を即座に打つ、実に迅速なマーケットドリブンな企業であり、この特長が孫社長の才覚に掛かっていると誰もが考え、誰かに譲って欲しくないと判断した結果がこれだ、ということなのだろう。


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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろ●シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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