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第5回 コンテンツを広める

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第5回 コンテンツを広める


第5回 コンテンツを広める


コンテンツを作っても、ただ公開するだけではユーザーに見てもらうところまで漕ぎ着けるのはむずかしいものです。ソーシャルメディアやメールマガジンなどでの広報は不可欠といえます。今回は本書のChapter6「コンテンツを広める」より、コンテンツを見つけてもらうためのコンテンツプロモーションの考え方について紹介しましょう。
2016年7月22日/執筆:渡辺一男(株式会社日本SPセンター)



■コンテンツプロモーションの基本

よいコンテンツを作ってウェブサイトに掲載すれば、ただそれだけで、見込客が集まってくるわけではありません。よいコンテンツを機能させるためには、そのコンテンツの存在を見込客に知ってもらう必要があります。自社のコンテンツがいつも検索結果の上位に表示されるのであれば問題ありませんが、そうでない企業は、検索エンジン経由以外でもコンテンツを見つけてもらうための施策を展開する必要があります。この活動は「コンテンツプロモーション」、あるいは「コンテンツアンプリフィケーション」と呼ばれます。

コンテンツを拡散させるためには、すでにその企業と関係性が構築できている層、インターネット上で影響力のあるインフルエンサー層、まだ関係性はないが潜在的な見込客である層、という3つの層に対してコンテンツを届け、コンテンツをシェアしてもらうことが重要です【01】。

①すでに関係性が構築できている層とのコミュニケーション
企業が開設しているSNSアカウントをフォローしている、あるいは企業が配信しているメールマガジンに登録している層に対してコンテンツを配信する施策です。B to B企業では、名刺交換などによって獲得したメールアドレス宛にメールを送信することも含まれます。

②インフルエンサー層とのコミュニケーション
インターネット上には影響力のあるインフルエンサーが多く存在します。インフルエンサーあるいは、そのフォロワーが自社の見込客に近い存在である可能性が高いならば、直接コンタクトを取ったり、新しいコンテンツを先に提供したりすることは重要です。なぜならコンテンツが公開されると同時に、コンテンツをシェアしたり、コメントを書いたりすることができ、インフルエンサーとしての潜在的な欲望を満たすことができるからです。

③まだ関係性がない層とのコミュニケーション
まだ関係性がない層に対しては、2次拡散の効果を待つか、あるいは積極的に広告出稿するという手段があります。コンテンツマーケティングを始めて一定数の購読者を確保できるまでには3ヵ月から半年ほどかかりますが、その時間を短縮するために広告を使うのは有効な手段です。広告を採用するのであれば、初期段階で使ったほうが効果が高い場合が多いようです。

【01】コンテンツ拡散の基本的な流れ
【01】コンテンツ拡散の基本的な流れ


■コンテンツをシェアしたくなる5つの動機

コンテンツをシェアしてもらうためには、人がなぜコンテンツをシェアするのかを理解する必要があります。その理由には、コンテンツそのものの善し悪しだけでなく、情報をシェアすることにより、その人の価値や存在感が上がるかどうかや、人との関係性を強化できるかどうかが大きく影響するようです。

したがって、コンテンツを拡散させるには、そのコンテンツをシェアすることにより、その人にどんなメリットがあるのかを考えて施策を練る必要があります。参考にニューヨークタイムズ社のカスタマーインサイトグループの調査を見てみましょう【02】。この調査によると、人がコンテンツをシェアする動機には5つの要素があります。

①有用であるから
情報に価値があり、面白いからというのがコンテンツをシェアする一番の理由です。94%の回答者が、受け手にとって情報が有益かどうかを考えてから情報をシェアすると答えています。

②他人から見た自分を定義するため
68%の回答者が、自分が他人に思われたい自分を形成できるかどうかを考えて情報をシェアしていると答えています。他人から見られたい自分に有利な情報のみシェアするということです。

③関係性を維持あるいは深めるため
78%の回答者が、知人との関係性を維持するために情報をシェアすると答えています。また、73%の回答者が、自分と共通の関心領域を持った他人と知り合うために情報をシェアすると答えています。

④自分の存在を示すため
69%の回答者が、情報をシェアすることにより、自分が世界に属していることを実感できると答えています。シェアした情報にコメントをもらったり、シェアした情報をさらにシェアしてもらったりすると自分が貴重な存在であると認められたような気がすると答えています。

⑤自分の主張や好きなブランドを示すため
84%の回答者が、自分の主義主張を示すために情報をシェアすると答えています。

【02】ニューヨークタイムズ カスタマーインサイトグループが発表した「シェアの心理学:人はオンライン上でなぜシェアするのか?」
【02】ニューヨークタイムズ カスタマーインサイトグループが発表した「シェアの心理学:人はオンライン上でなぜシェアするのか?」

◯コンテンツをシェアする6つのペルソナ
ニューヨークタイムズ社の調査には、コンテンツをシェアする人物像として6つのペルソナが挙げられています。この情報もコンテンツ拡散のための施策づくりに役立ちます。

ペルソナ1:利他主義者
栄養や健康に関する記事を友達に送ります。感謝のメールが返ってくると嬉しくなります。

ペルソナ2:出世主義者
ビジネスに関する情報をシェアします。顧客に提供する価値を改善するためのアイデアについて意見を交わし合うこともあります。

ペルソナ3:進んでいる人
最新の情報をシェアするのは生活の一部です。先進的でクリエイティブに見られたいと思います。

ペルソナ4:ブーメラン型
議論を呼ぶような情報をシェアします。挑発的に見られたいと思うし、もし反応が無かったら残念に思います。

ペルソナ5:コネクター型
ホテルのバーの優待券をもらったので、それを沢山の友達に転送して女子会を開催しました。こんな風に人々を結びつけるのが得意です。

ペルソナ6:選択型
その情報によって喜ぶ特定の誰かが思い浮かんだ時にだけ情報をシェアします。

たとえば、自社の商品が健康関連であればペルソナ1最先端の商品であればペルソナ3を想定して施策を考えみるのもよいでしょう。なお、ここでの「ペルソナ」はインターネット上でコンテンツを拡散する役目を果たす人物像であって、見込客であるバイヤーペルソナと混同しないように注意してください。


■生活者のオンライン上での振る舞いを知ろう

コンテンツのシェアを促すためには、生活者がオンライン上でどのように行動しているかを知る必要があります。そこで役に立つのが、総務省情報通信政策研究所が発表した「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」です。有用なデータが豊富に掲載されていますが、たとえば、「インターネットの利用項目別の平均利用時間」を利用すれば、メールを利用してコンテンツ拡散を促したほうがよいのか、SNSを利用したほうがよいのかなどを世代別、男女別に検討することができます【03】。

【03】平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(概要版の17ページ)
【03】平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(概要版の17ページ)


以上で第5回は終了です。次回は作成したコンテンツマーケティングを始めるにあたってよく聞かれる質問にQ&A形式でお答えしますので、お楽しみに。

なお、書籍のChapter6では、TwitterやFacebookでのシェアを促すための施策やメールマガジン・ペイドメディアでの拡散方法なども解説していますので、ご興味のある方はぜひご一読ください。

第4回「コンテンツマーケティングの4つの型
第3回「マーケティングコンテンツのつくり方
第2回「コンテンツマーケティングの始め方 
第1回「コンテンツマーケティングの基本概念
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