月刊MdN特別付録「クリエイターズカレンダー 2012」連動企画 アーティスト ファンタジスタ歌麿呂さんが作品制作にIntuos4を使用する理由

第一線で活躍するクリエイターの作品が1年を彩るMdN特製カレンダー「クリエイターズカレンダー」。その2012年版が月刊MdNの2012年1月号に特別付録として収録されている。同カレンダーに登場するクリエイターたちが、口々に「作品制作に欠かせないツール」として挙げているのがペンタブレット「Intuos4」だ。ポップで強烈な作風で人気のあるクリエイター、ファンタジスタ歌麿呂さんもそのひとり。そこで今回は、Intuos4を作品制作に活用しているという歌麿呂さんに、その魅力と活用方法について伺った。

「クリエイターズカレンダー」とは

イラストやグラフィックなど、さまざまな分野で活躍しているクリエイターたちの華やかな作品が一年を飾るMdN特製カレンダー。ワコムのペンタブレットを愛用しているクリエイター6名の作品が2カ月ごとに掲載される。2012年版は月刊MdNの2012年1月号に特別付録として付属。詳しくは月刊MdNの2012年1月号を参照ください!

クリエイターインタビュー No.1 ファンタジスタ歌麿呂さん (アーティスト)

無限に広がっていく“パターン”にこだわって作品を制作

1979年生まれ。フリーランス。イラストレーター、テキスタイルデザイナー、グラフィックデザイナー、アニメーションディレクターなど多岐にわたり活動中。ポップで彩度高めの世界観が特徴。

テキスタイルやイラストレーション、映像など、メディアやジャンルの境界線を飛び越えて活躍するアーティスト、ファンタジスタ歌麿呂さん。マンガやアニメからの影響を感じさせる独特の作風は、国内だけでなく海外からも大きな注目を集めている。その歌麿呂さんが作品制作の際に大切にしているのが、「世界の広がり」だという。

「写真にしても絵画にしても、風景の一部を切り取ったものがほとんどですよね。フレーミングによって世界が限定されてしまう点に、ずっと違和感を感じていました。でも、テキスタイルパターンは無限に続いていきます。一部分を切り取っても絵になるし、カットされてしまったその奥にも続きがある事を想像させてくれるんです。どこまでも世界が無限に広がっていく。テキスタイルは、ファッションや、インテリアからプロダクトまで、あらゆるところで活躍する事ができます。僕がテキスタイルパターンが魅力を感じるのは、無限に続くおもしろさを感じるからなんです」

現在、テキスタイルやイラスト作品の多くをIllustratorとPhotoshopで制作しているという歌麿呂さん。その制作工程で愛用しているのがIntuos4だ。

Intuos4が発売されて間もないときに、家電量販店の店頭で使い心地を試してみたことがあるんです。そうしたら、それまでの機種に比べて筆圧の感度がすごくよかった。それですぐ買って使い始めました。今は、作品をつくるときは下絵の段階からIntuos4で制作していますが、手描きではできないような筆の質感やストロークを表現できるのがいいですね。デジタルならではのよさを生かした表現には欠かせないツールだと思います」

ジャパンポップカルチャーを意識したカレンダー作品

■「クリエイターズカレンダー 2012」に掲載されたファンタジスタ歌麿呂さんの作品

ファンタジスタ歌麿呂さんが「クリエイターズカレンダー 2012」に提供したのは「SDS スペース・デリバリーサービス」と題した作品で、ポップなテイストが印象的だ。宇宙宅配ガールをイメージしたキャラクターがメインモチーフとなっており、マンガをはじめとする日本のサブカルチャーの影響を色濃く感じることができる。

「いつも絵柄をパターンに落とし込んで、いかにおもしろいつながりをパターンで表現するか、というところに軸をおいて制作しています。マンガ、アニメを象徴とする記号的要素、例えば吹き出しや擬音や集中線を取り入れて潜在意識にうったえるようなクリエイティブを心がけてます。日本のサブカルチャーは世界に誇る日本のプライドだと思っています」

カレンダー作品に使われているモチーフは、すべてIntuos4を使って描かれているという。使用したソフトウエアはPhotoshopだが、作品のテイストやイメージによってはIllustratorを使うことも少なくないそうだ。

「Illustratorで描くときは、あらかじめ数十種類のブラシを作成してブラシパネルに登録しておくんです【図1】。そして、フリーハンドでストロークを描いていきます。そのとき、2本描いたストロークをブレンドさせてボーダー状のオブジェクトを作成することもよくありますね。ちなみに、Photoshopで描く際は、筆圧に応じて線の太さが変わるようにプリセットブラシの設定をカスタマイズすることがあります【図2】。そんなときもIntuos4だと、微妙な力の加減で線の太さや濃淡を描き分けられるのがいいですね。また、従来に比べてペンの入り抜きが軽快になって、より繊細な表現ができるようになったのもうれしいです」

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Illustratorのブラシパネルに登録されたオリジナルのブラシ

【図1】
Illustratorのブラシパネルに登録されたオリジナルのブラシ(左)。
ファンタジスタ歌麿呂さんは、このように独自に作成したブラシを数十種類登録して作品制作にのぞむという。モチーフを描く際は、2本の線をブレンドさせてボーダーのような連続的なオブジェクトを作成することもよくあるそうだ(右)

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Photoshopのブラシパネル

【図2】
Photoshopのブラシパネル。筆圧に応じて線の太さや散布が変わるようにプリセットブラシの設定をカスタマイズしておくと線に抑揚をつけやすくなる。Intuos4の場合は、2048レベルの筆圧感知と、最小1gのON荷重を実現しているため、表現に差が出やすいペンの入り抜き、線の太さや濃淡の描き分けが行いやすいのもポイントだ

作業効率を向上させるためにIntuos4を利用

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タッチホイールの中央にある切り替えボタン

【図3】
Intuos4のタッチホイールの中央にある切り替えボタンを押すと、4つの機能を切り替えて使うことができる。デフォルトでは、画像の拡大・縮小、レイヤー切り替え、ブラシサイズの変更、Photoshopでのカンバスの回転がセットされている。Photoshopでカンバスの回転を選び、ホイールをなぞるだけでカンバスを360°好きな向きに回転させることができる
【図4】
ファンタジスタ歌麿呂さんは、Intuos4を使う際、ペンを握る方の手に編集手袋を着用している。汗などで手の滑りが悪くなり、長いストロークを描きづらくなるのを防ぐのが目的とのこと

ファンタジスタ歌麿呂さんによれば、描いた絵柄をパターンに落とし込むときの作業効率アップにもIntuos4を役立てているという。

「パターンを作成するときは画面の回転やブラシサイズの変更を多用するので、指でなぞるだけで直感的に画面の向きやブラシサイズを調節できるタッチホイールは重宝します【図3】。Intuos4を使うようになって、作業スピードは大幅に向上しました」

ちなみに普段の作業ではスキャニングなどで使用する編集手袋を着用しているとのこと【図4】。また長時間作業するときは、標準で付属する太径ラバーグリップを取り付けて使っているそうだ。

「編集手袋をするのは、手の摩擦をできるだけ小さくして、なめらかなストロークを描くため。太径ラバーグリップは長時間でも疲れにくく作業に集中しやすいのが理由です。このほか、直前の作業をやり直すcommand+Zキーや、ブラシを選択するshift+Bキー、消しゴムツールを選ぶshift+Eキーなど、よく使うショートカットキーをエクスプレスパッドのファンクションキーに割り当てて作業効率アップをはかっています。カスタマイズの融通性が高いのもIntuos4ならでは魅力ですね」

ファンタジスタ歌麿呂さんにとってのIntuos4の魅力とは

  1. (1)「筆圧によってニュアンスの異なる線を描きやすいところ」
  2. (2)「拡大縮小や回転がスムーズに行えるため、ストレスなく作業を進められること」

ペンタブレット「Intuos4」とは

イラストレーターやグラフィックデザイナーなど、プロのクリエイターから長年にわたり熱い支持を受けている高性能なペンタブレット。最新モデルのIntuos4では、繊細な絵筆タッチを可能にする2048レベル筆圧機能のほか、ショートカットキーをワンタッチで実行できるファンクションキーやタッチホイールを備えたエクスプレスパッドを搭載しており、作品品質と作業効率のアップに役立てることができる。ラインアップは、入力エリアのサイズ別に4種類が用意されているほか、Bluetooth接続に対応したワイヤレスモデルも発売されている。

メーカー名
ワコム
機種
Intuos4
対応OS
Small 22,800円 Medium 32,800円 Large 42,800円(ワコムストア価格)
URL
https://intuos.jp/

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