第16回 見出しを積極的に差別化する手法とは?
Webサイトの主役は文字であることは、前回解説した通り。そして、文字情報には見出しがつきものである。文字内容を見てもらうためには、効果的な見出し。これを目立たせるデザインも考えなければならない。一般的には、見出しは普通サイズや色、太さで本文と区別するが、もっと積極的にページの雰囲気を表す仕掛けを考えて、差別化に貢献する方法を考えてみたい。
■POINT
デザインパターンによっては文字色の濃さを調整し、スタイル全体が適度な目立ちをキープできるように気を配ること。形を変える時は色も見直すことを原則とすべし。
今回のスタイル完成画面
本スタイルの見出しは【図1】のように、上下に2本の手描き風ボーダーが入るものを考えた。HTMLのソースは、【HTMLソース】を確認してもらいたい。
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【図1】 初期のスタイル。見出し要素が1つだけで明朝を使ったパターン
【HTMLソース】
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■STEP 1
レンダリング結果を見て欲しい。この場合、見出しのボーダー色は濃い。というのも、テキストを明朝にする計画なので、文字は細くインパクトに欠ける可能性があるからだ。本作例のスタイルは以下の【ソース1】の通りである。
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【ソース1】
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■STEP 2
では、もしこの見出しが「見出し」と「キャッチ」のグループで構成されていたらどうすればよいか。見出しには上位レベルのh2を使い、キャッチには下位レベルのh3を使ってマークアップする。最終的に2つの要素はdivタグでひとまとめにしておいた。その部分のソースは【HTML2】の通りだ。
【HTML2】
前のパターンではh2に対して背景画像を指定し、上下のボーダーを表示させていた。このパターンではそれをやめて、h2には中央の水平線を背景画像に指定する。水平線は単一の画像で、繰り返しなしのものを中央に置いた。
【ソース2】
■STEP3
上下のボーダーはdivのclassとして指定した。今回はフォントをゴシックとするため、前回よりもボーダー色は薄くして目立ち具合を押さえている。これで全体としては前のスタイルと同じような印象になるはずだ。
【ソース3】
あとは本文テキストの色設定を、黄みがかった背景色を念頭に黄色い色相よりのダークカラーから選択すればできあがりだ。ちなみに手描き風のボーダーは、【図2】のようにphotoshopのブラシツールから、それらしいノズルを選択して縮小、調節して作った。
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【図2】手描き風罫線を作る。テクスチャ付きのノズルで引いた直線のサイズを調整した
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コラム:基本のキ その8
divとclassどう使い分ける?
グローバルナビゲーションのように、1つのサイト(あるいはページ)で1つしか登場しない要素がある。このような「フォーマット化したい素材」には、idセレクタでスタイルを指定すると便利である。同一のidに属するタグのスタイルは、いちいちセレクタを割り振らなくても前ページで統一可能だ。一方、テキストスタイルや、画像の周囲に付ける余白設定など、ピンポイントで付けたいスタイルはclassにしたほうが良い。そうしておけば作ったスタイルは、サイト全体で使い回ししやすいのだ。
次回へつづく
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[プロフィール]
やの・りん●北海道足寄町生まれ。女子美術大学芸術学部芸術学科卒。著書に『Webレイアウト見本帳』、『WEBレイアウト・セオリー・ブック』(エム ディエヌコーポレーション)がある。近著『デザインする技術』(エムディエヌコーポレーション)も好評発売中。身長 152.1cm。
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