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こんなオフィスで働きたい!今、注目の次世代感覚のコミュニティ型ワークスペースWeWork

2024.4.27 SAT

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こんなオフィスで働きたい!
今、注目の次世代感覚のコミュニティ型ワークスペースWeWork


すでに数年前から、IT関連のフリーワーカーなどに積極的に利用されはじめているコワーキングスペース。従来の賃貸物件とは異なり、非常にフレキシブルな契約形態を擁することで、フリーランスから企業まで“固定コストを低減”したうえで、利便性の高いオフィスを持てるという大きなメリットが存在する。群雄割拠するコワーキングスペースではあるが、生き残るためにはより高い付加価値が求められている。そこで、今回は昨年日本上陸を果たし、大きな注目を得るWeWorkの日高久美子さんにお話を伺った。

取材・文/編集部

▷NY発のスタートアップ企業というブランドと確固たるコンセプト


WeWorkのヴァイスプレジデント 広報・渉外担当 日高久美子さん

WeWorkのヴァイスプレジデント
広報・渉外担当 日高久美子さん

WeWorkはニューヨーク市に本社を置き、スタートアップ企業やフリーランス事業者向けにコミュニティ型ワークスペースを運営・提供する企業。2017年、ソフトバンクグループとの合弁により「WeWork Japan」を設立し、本格的に日本市場に参入した若いコワーキングスペース提供企業である。既存の同様他社との大きな違いは、WeWorkが提供する“コミュニティ型ワークスペース”であるということ。

日高さんによれば、「WeWorkが提供するサービスは4つの柱で成り立っています。ひとつは、様々な企業の方が集うワークスペース。2つ目はメンバーによって形成されるコミュニティの提供。拠点ごとのコミュニティから、都内や日本といったより広範囲なコミュニティ、さらにグローバルなコミュニティを提供させていただいています。3つ目は、オフィス運営にあたって必要なサービス、つまりプリンタや会議室といった基礎的な事務機能から、さらに福利厚生サービスとして飲み放題のコーヒーやお茶、そしてビールなども揃えているパントリーなどを充実させています。そして、4つ目は、これらを支えるテクノロジーの提供。メンバー同士のコミュニケーションや会議室の予約まで、拠点内からグローバルにわたるコミュニティと簡単に繋がることのできるWeWorkのメンバー専用のアプリを提供しています」

日本市場には新規参入ではあるが、海外でのビジネスの実績は非常に高く、すでに全世界24カ国83都市335カ所以上の地域で事業を展開。世界的には31万9,000人以上の会員と30万以上のデスクを保有している。

「2018年2月にまずは六本木に初めての拠点を開設しました。その後、およそ毎月1拠点のペースで、銀座、丸の内、新橋、日比谷、神宮前、京橋、横浜に8拠点を展開。12月には乃木坂、大阪、福岡にもオープンし、国内では計11点となりました」

市場参入一年にして、これだけの成長を果たすこと自体が異例でもあり、それだけに注目度は高い。

ニューヨークという大都市を起点として、当初はスタートアップ企業をメインターゲットとして新たなオフィス形態を提示し、お洒落なオフィス空間と利便性の高い機能性を提供することで独自ブランドを定着させている。

こういったコンセプトは、スタートアップ企業者だけでなく、クリエイティブ関連のフリーランサーにも広く支持を得て、短期間での企業成長を果たしているわけである。

▷突如原宿に登場したNY的な空間


今回取材に訪れたのは、昨年8月にオープンした渋谷区神宮前の「WeWork Iceberg」。明治通りに面しており、原宿駅からも近く、周囲にはファッションブランドが立ち並ぶというお洒落な環境である。7階建てのビルはすべてガラス張りであり、中の空間をすっきりと見渡せ、オフィス内外で開放的な快適空間を提供する。

実は階段の幅にも工夫があり、コミュニケーションが生まれやすい距離に設計されている

実は階段の幅にも工夫があり、コミュニケーションが生まれやすい距離に設計されている

2Fにある共有のワークススペース。広々として贅沢なつくりになっている

2Fにある共有のワークススペース。広々として贅沢なつくりになっている

オフィスの1階には、いかにもNY的なカフェを併設。ここはメンバーだけでなく、一般のお客様もオープンに利用可能だ。もちろん、カフェ以外はメンバーだけのスペースである。受付より奥のコミュニティエリアと呼ばれるラウンジや階上へはセキュリティが施されている。

特筆すべきは、この空間デザインであろう。カフェからコミュニティエリア、そして階上も閉鎖的なイメージは一切なく、とても開放的な雰囲気を醸し出している。カフェだけでなく、コミュニティエリアにも多くの人がそこで過ごしている。
あえて言えば、マンハッタンのパブリックスペースでゆったりとした時間を過ごす…。そんな空間が、そこに存在しているのである。絶妙な空間デザインの妙を伺ったところ、「たとえば廊下や階段の幅は、互いにすれ違う人がストレスを感じずに、ほどよくお互いを意識するような幅でデザインされています。アメリカ的な表現でいえば“ハイタッチしやすい幅”になっているんです。」コミュニティのメンバー同士が、自然に会話できるようなデザインを施していること。それが「WeWork」のコンセプトのひとつであり、大きな魅力のひとつでもある。

「メンバー同士が出会うことにより新たな関係や仕事に繋がるという化学反応を起こさせるコミュニティの形成。それがWeWorkの大きな特徴なのです」

▷独自のコミュニティ運営で特性を狙う


WeWorkのビジネスモデルとしてのコンセプトをお伺いしたところ、「私たちが提供しているのは“コミュニティ型ワークスペース”」とのこと。「WeWork Iceberg」のデザイン自体が、そのコンセプトを体現しているのだろうと思われたが、拠点によっては異なるデザインもありえる。それらを包括する基本コンセプトにはより深い狙いがあるのだろう。

「単にワークスペースの「場」を提供するのではなく、“コミュニティ”を中心としたワークスペースを提供させていただいています」

コピーサービスや会議室、プライベート空間といったオフィス機能としての基本機能も充実しているが、多くの施設がガラス張りで見通しがよく、開放的な空間デザインとなっていることもメンバー同士の繋がりを意識したものである。

「現代のビジネスに要求される“オープン性、透明性”を具現化したオフィスデザインなのです。もちろん全てが見えてしまうということはありません。会議室内のモニタ表示などは外部から見えないようなフィルターをガラス面に施すことで、気密性と開放感をバランスよく保つように意識しています」

こちらはオシャレなミーティングルーム

こちらはオシャレなミーティングルーム

オフィス運営にあたって必要なサービスも完備されている

オフィス運営にあたって必要なサービスも完備されている

授乳や礼拝も行える多目的ルームも用意

授乳や礼拝も行える多目的ルームも用意

プライベートオフィスにはプライバシーの配慮も

プライベートオフィスにはプライバシーの配慮も

ゆったりくつろげる共有スペース

ゆったりくつろげる共有スペース

実のところ、WeWorkはスタートアップ企業家やフリーランスに特化したものでない。WeWorkのメンバーには日本を代表する大企業から誰もが名前を知っている外資系企業、また中小企業も多数いる。メンバーは固定デスクを持てる「専用デスクプラン」や「プライベートオフィスプラン」などから選べる。これにより、利用企業は融通の利かないオフィス固定コストに縛られることなく、より柔軟なコスト計画も可能とする。

こういった幅広い顧客サービスが、WeWorkの魅力のひとつでもあるだろう。



【取材協力】
●WeWork
URL:https://www.wework.com/ja-JP/
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