ゴールド・シルバー・ホワイトの特殊トナーで表現の幅を広げる「DocuColor 7171 P (Model-ST)」 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

ゴールド・シルバー・ホワイトの特殊トナーで表現の幅を広げる「DocuColor 7171 P (Model-ST)」

2024.4.27 SAT

【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

デザイナーも必見!編集部が驚いたプロダクションプリンタ
ゴールド・シルバー・ホワイトの特殊トナーで
表現の幅を広げる「DocuColor 7171 P (Model-ST)」


富士ゼロックス株式会社が、乾式電子写真方式のプロダクションプリンタの新商品として「DocuColor 7171 P (Model-ST)」を発売した。この商品は、通常のCMYトナーに替えてゴールド・シルバー・ホワイトの特殊トナーを採用し、ブラックトナーを合わせた4色を搭載している。本商品がデザイナーにとっての強い味方となる可能性を感じた編集部は、その独特な発想のプリンタの詳しい仕組みや実力を探るべく、富士ゼロックス株式会社への取材を敢行。同社で商品化に携わった後藤章一さんと鈴木佳代さんに話を伺った。

取材・文/編集部 撮影/P-throb

▷難しいことは何ひとつなく簡単に特殊色の出力が可能に


後藤章一さん(左)と鈴木佳代さん(右)

後藤章一さん(左)と鈴木佳代さん(右)

「DocuColor 7171 P (Model-ST)」は、既存のCMYK4色機「DocuColor 7171 P」をベースとしている。筐体については「DocuColor 7171 P」そのものだ。

「CMYKトナーを搭載した通常モデルの『DocuColor 7171 P』に対して、『DocuColor 7171 P (Model-ST)』は、CMYトナーを搭載していない特殊色の専用機です。シアンをシルバー、マゼンタをゴールド、イエローをホワイトに置き替えており、出力速度などのスペックは『DocuColor 7171 P』と同様です」(後藤さん)
「出力するデザインのデータをアプリケーションで作る際、スポットカラーの指定をプリンタ側で置換して出力できるので、難しい操作は不要です。わざわざプリント用のデータと、画面で配色を確認するためのデータを別に用意する必要はありません。また、たとえばオフセット印刷を想定したデータで、普段から特色をマゼンタ版で配色するような入稿に慣れている方は、シアン、マゼンタ、イエローで配色すれば、シルバー、ゴールド、ホワイトとしてそのまま出力することができます」(鈴木さん)
中小規模のデザイン事務所でも 社内で気軽に特殊色の出力が可能に

中小規模のデザイン事務所でも
社内で気軽に特殊色の出力が可能に

「上位機種『Iridesse Production Press』は、CMYK4色トナーに加えて特殊トナーを搭載できる1パス6色プリントエンジンを採用したプロダクションプリンタで、その掛け合わせによって多彩なメタリックカラーの表現も可能です。一方、『DocuColor 7171 P (Model-ST)』は、手頃な価格で特殊色を利用でき、付加価値のある制作物を気軽に作っていただくためのモデルとして商品化されました」(後藤さん)

「DocuColor 7171 P (Model-ST)」の標準価格は660万2000円(税別)~だが、ハイエンド機の「Iridesse Production Press」となると価格は桁が1つ変わる。中小規模のデザイン事務所でも現実的に導入しやすいのが「DocuColor 7171 P (Model-ST)」というわけだ。
この商品の斬新な発想は、新しいアイデアの具現化や社会課題の解決に向けた自発的な思いを持つ社員たちによるもの。会社や組織の境界を超え、社内外の仲間と“提案・実践”に取り組むプログラム活動の中から生まれた。

「富士ゼロックスらしさがあり、さらに“今”まさにデザイナーが試してみたいと考える商品を目指して、見えてきたコンセプトが“特殊色”です。より手軽に多くの皆さまに“特殊色”を使っていただく方法について営業や開発といった部門の垣根を超えてディスカッションを重ねた結果、デザインの仕事などに携わる方は一般的なCMYKプリンタは既に導入済みだろうと想定し、コンセプトに賛同いただいた経営層の協力のもと、特殊色専用機の商品化に踏み出しました」(鈴木さん)

▷デザイナーの心をくすぐる多彩な紙との組み合わせでの色表現


それでは、実際にゴールド+シルバー+ホワイト+ブラックの4色では、どのような表現が可能なのだろうか。いくつか具体的なプリントサンプルを見せてもらった。
色紙を上手に活用すれば、デザインの“色”を 増やすことが可能。上の画像の“黄色”は、 トナーを乗せていない紙そのものの地色だ

色紙を上手に活用すれば、デザインの“色”を
増やすことが可能。上の画像の“黄色”は、
トナーを乗せていない紙そのものの地色だ

「本商品にCMYトナーはありませんが、色紙の風合いとの組み合わせによっても、新たな発想が可能です。たとえば地色が赤の紙では、濃度を落としたブラックを刷って茶色、濃度を落としたホワイトを刷ってピンクに見せることができます。また、黄色の紙を使えば、トナーを乗せない部分は地色を活かしてそのまま黄色としてデザインに活用できます。特殊色100%のカラー以外に、多彩な色紙と組み合わせて表情豊かな表現を楽しめるのです」(後藤さん)

「白い紙にホワイトのトナーで刷って、ニスのような効果を生み出すこともできます。パール紙を使い、部分的にホワイトを刷ると、トナーで覆われた部分とそうでない部分が生まれ、角度によって見え方が変わるような驚きのあるデザインもカタチにできます。透け感のある特殊紙も一定のコシがあれば印刷できるものもありますし、インクジェット機と比べれば耐水紙などPET系の素材に出力する需要に対応しやすいことも特徴です」(鈴木さん)
CMYトナーがなくても多彩な色表現は可能。上の画像の作品では、赤の紙とトナーの組み合わせで茶系の色や薄いピンクも表現されている

CMYトナーがなくても多彩な色表現は可能。上の画像の作品では、赤の紙とトナーの組み合わせで茶系の色や薄いピンクも表現されている

紙と同じ色を刷って、ニスのような面白い効果も。このプリントサンプルでは、黒い紙にブラックトナーで絵柄を刷るデザインの工夫が盛り込まれている

紙と同じ色を刷って、ニスのような面白い効果も。このプリントサンプルでは、黒い紙にブラックトナーで絵柄を刷るデザインの工夫が盛り込まれている

さまざまな用紙への対応については、トナーを熱で定着させるレーザー方式ならではの“不得意な素材”もゼロではない。だが、何でも自己判断で“無理だろう”と諦めてしまうのは早計だ。同社では、商品の導入後はもちろん、導入前にも相談を受け付けている。使いたい紙を検証・評価してもらい、アドバイスを受けることもできるので、まずは気軽に相談してみるべきだろう。“できること”は想像以上に多い。

「そのほか、シルバーにブラックを加えて深みを出したり、ゴールドとシルバーを混ぜるとやや青みのあるゴールドを表現できたりと、トナーの掛け合わせでも表現の幅は広がります。特殊色の活用例を挙げればまだまだありますが、これらはほんの一例で、使う方の発想次第でさまざまな表現を生み出すことができるのです。『DocuColor 7171 P (Model-ST)』の手軽さは、多彩なデザインの発想を気兼ねなく試しやすいことにも繋がります」(後藤さん)

トナーの設置箇所が固定されたCMYK4色プリンタをベースとしているため、たとえば“ホワイトは1番上に来る”というように、刷り順はあらかじめ決まっている。だが、いったん出力した用紙を再びプリンタに通すような工夫をすれば、下刷り(先刷り)や追い刷りも決して不可能ではない。デザイン上、どうしてもCMYも加える必要があれば、CMYKプリンタと併用して出力する道もある。ただ、ここでも当然ながら紙やトナーとの相性などが影響するため、難しく考えすぎる必要はないが、気になる点は問い合わせてみると良いだろう。

▷中小規模のデザイン事務所にも設置しやすく大きなメリットが


「DocuColor 7171 P (Model-ST)」は、デザイナーにとっても、計り知れない魅力を備えた“ワクワク感”のある商品だ。本体サイズも「DocuColor 7171 P」と変わらず、上位機種と比べれば、はるかにコンパクトで設置しやすい。デザイン事務所への導入も可能で、大きなメリットを享受できる。
趣向を凝らしたインパクトのある名刺も制作しやすい。箔押しとは異なり、極細の線や小さな文字もきれいに表現されていることも魅力

趣向を凝らしたインパクトのある名刺も制作しやすい。箔押しとは異なり、極細の線や小さな文字もきれいに表現されていることも魅力

「100V電源で稼働するため、電気工事を必要とせず、オフィスなどに設置していただけます。デザインの仕事はもちろん、プライベートな作品づくりや、凝った名刺やカードのようなアイテムの制作にも役立ちます。金や銀を表現する手段の1つとして箔押しがありますが、「DocuColor 7171 P (Model-ST)」では極細の線や小さな文字を表現できるだけでなく、コストを抑えて納期も短くできる強みもあります。手元で簡単かつスピーディーに、発想豊かな作品を作り出すための商品として、貢献できるのではないかと思っています」(後藤さん)

「デザイン事務所への導入では、アイデアをカタチにしたいときに、狙った通りの出来映えになるか否かを、その場で即座に確認できることも大きなメリットです。特に色紙との組み合わせでは仕上がりが大きく変わります。簡単に何通りものバリエーションをテストでき、すぐに修正も加えられます。特殊色を使ったデザインは“イベント映え”して注目もされやすいので、『DocuColor 7171 P (Model-ST)』は、ぜひ多くの方に使って楽しんでいただきたい1台です」(鈴木さん)

富士ゼロックス株式会社 グラフィックコミュニケーションサービス事業本部 マーケティング部 プロダクトマーケティンググループ <strong>後藤章一さん</strong> 商品のプランニングを担当している。

富士ゼロックス株式会社
グラフィックコミュニケーションサービス事業本部 マーケティング部 プロダクトマーケティンググループ

後藤章一さん

商品のプランニングを担当している。

富士ゼロックス株式会社 グラフィックコミュニケーションサービス営業部 第三営業部 1グループ 1チーム <strong>鈴木佳代さん</strong> 特殊色専用機コンセプト発案チームのリーダー。普段は名古屋でプロダクション商品を専門に販売する営業を担当している。

富士ゼロックス株式会社
グラフィックコミュニケーションサービス営業部 第三営業部 1グループ 1チーム

鈴木佳代さん

特殊色専用機コンセプト発案チームのリーダー。普段は名古屋でプロダクション商品を専門に販売する営業を担当している。


■プリントビジネスの可能性を拡げる「DocuColor 7171 P (Model-ST)」

ゴールド、シルバー、ホワイトの特殊トナーとブラックトナーの計4色を搭載した特殊色専用のプロダクションプリンタ。アイキャッチ効果が高いデザインや、色紙への白の出力など、CMYトナーでは実現できない豊かな表現を可能にする。出力解像度は2400×2400dpiで、連続プリント速度は71ページ/分(A4片面・64〜105g/平方メートル、非コート紙時)。定形では最大A3、11×17"、非定形では最大330×488mmの用紙サイズに対応する。

本体サイズは1217(幅)×1409(高さ)×777(奥行)mm、設置スペースは1814(幅)×2007(奥行)mmで、重量は282kg。プリント/スキャン機能を標準で備えるほか、ファクスや大容量給紙トレイ、中綴じフィニッシャー、紙折りユニット、トリマー/スクエアフォールドなど、多彩な別売オプションも追加できる。100V電源での稼働に対応し、設置環境を選ばないことも魅力。

標準価格は660万2000円(税別)~。


URL:https://www.fujixerox.co.jp/product/publishing/docucolor_7171p_st
取材協力/富士ゼロックス株式会社
twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

この連載のすべての記事

アクセスランキング

8.30-9.5

MdN BOOKS|デザインの本

Pick upコンテンツ

現在