■ Apple「iPad mini(第5世代)」レビュー
待望のApple Pencil対応! 手描きツールに進化した新型iPad miniはここがスゴイ
待望のApple Pencil対応! 手描きツールに進化した新型iPad miniはここがスゴイ
2019年04月02日
TEXT:山口真弘(ITライター)
アマチュアからプロユースに至るまで、クリエイティブワークを中心に幅広く使われている「iPad Pro×Apple Pencil」の組み合わせですが、環境によっては最大のネックとなりうるのが、サイズが大きく、持ち歩いての作業がしづらいことです。
Apple Pencilが使える現行のiPadと言えば、iPad(第6世代)が最小サイズのモデルでしたが、それでも画面の大きさは9.7インチもあり、決して小型というわけではありません。コートなどの大型ポケットであってもさすがに入るサイズではなく、外出先に気軽に持ち歩いて使うには、いまいち不向きだったといえます。
そうした環境にぴったりなのが、このたびモデルチェンジした、iPad miniの第5世代モデルです。新たにApple Pencilに対応したことで、まさに最強の手描きツールとなったこの製品について、今回はチェックしていきましょう。
TEXT:山口真弘(ITライター)
アマチュアからプロユースに至るまで、クリエイティブワークを中心に幅広く使われている「iPad Pro×Apple Pencil」の組み合わせですが、環境によっては最大のネックとなりうるのが、サイズが大きく、持ち歩いての作業がしづらいことです。
Apple Pencilが使える現行のiPadと言えば、iPad(第6世代)が最小サイズのモデルでしたが、それでも画面の大きさは9.7インチもあり、決して小型というわけではありません。コートなどの大型ポケットであってもさすがに入るサイズではなく、外出先に気軽に持ち歩いて使うには、いまいち不向きだったといえます。
そうした環境にぴったりなのが、このたびモデルチェンジした、iPad miniの第5世代モデルです。新たにApple Pencilに対応したことで、まさに最強の手描きツールとなったこの製品について、今回はチェックしていきましょう。
従来のiPad miniシリーズは、iPadファミリーの中ではどちらかというと下位モデルという位置づけで、スペック的にも目立つところはありませんでした。しかも従来モデルにあたるiPad mini 4は、2015年に発売されてから実に4年も第一線を張ってきたこともあり、ハードウェア的にはそれだけ時代遅れになっていました。
しかし今回のモデルに採用されているのは、現行のiPhone XSなどに使われているのと同じプロセッサです。ワンランク上のプロセッサが使われているiPad Proを除けば、スペックの部分でも見るべきものがあります。またメモリが2GBから3GBへ増量されたこともあってか、操作のサクサク感も増しています。iPad miniの使用歴が長い人ほど、カルチャーショックを受けることは間違いありません。
こうしたことから、Apple Pencilによる描き心地も、非常に快適です。描画のスピードが遅かったり、反応が悪いといった問題も皆無ですし、ツール側の制限もないようです。今回はプロユースのアプリまでは試せていませんが、例外が存在する可能性は低いでしょう。
また、約300gという軽さは大きな武器です。片手持ちに適したケースと組み合わせれば、外出先で手に持ったまま、Apple Pencilを使って絵を描いたり、メモを取るのも容易でしょう。ミーティングやクライアントとの打ち合わせの席で、サッサッとラフを描いてすぐに相手に見てもらうといった機動力を要する作業も、これまで以上に簡単に行えるはずです。
しかし今回のモデルに採用されているのは、現行のiPhone XSなどに使われているのと同じプロセッサです。ワンランク上のプロセッサが使われているiPad Proを除けば、スペックの部分でも見るべきものがあります。またメモリが2GBから3GBへ増量されたこともあってか、操作のサクサク感も増しています。iPad miniの使用歴が長い人ほど、カルチャーショックを受けることは間違いありません。
こうしたことから、Apple Pencilによる描き心地も、非常に快適です。描画のスピードが遅かったり、反応が悪いといった問題も皆無ですし、ツール側の制限もないようです。今回はプロユースのアプリまでは試せていませんが、例外が存在する可能性は低いでしょう。
また、約300gという軽さは大きな武器です。片手持ちに適したケースと組み合わせれば、外出先で手に持ったまま、Apple Pencilを使って絵を描いたり、メモを取るのも容易でしょう。ミーティングやクライアントとの打ち合わせの席で、サッサッとラフを描いてすぐに相手に見てもらうといった機動力を要する作業も、これまで以上に簡単に行えるはずです。
ひとつ注意しなくてはいけないのは、本製品で動作するApple Pencilは、最新の第2世代ではなく、従来の第1世代であることです。昨年秋に登場した新しいiPad Proに合わせて、Apple Pencilを第2世代へと買い替えていた場合、再び第1世代のモデルを買い直さなくてはいけません(筆者がそうです)。
第2世代でなく第1世代にのみ対応する理由は、いくつも考えられます。ひとつは、側面がフラットになっておらず、背面に向かって緩やかにカーブしている本製品では、第2世代のApple Pencilの機能のひとつである、iPadの側面に磁力で吸着させて充電する機能に対応できないことです。仮にこのギミックを活かすならばボディを再設計する必要があるわけで、コスト的に難しいのは容易に推測できます。
また、本製品およびiPad Air(第3世代)の登場と時を同じくして、従来の10.5インチiPad Proが終息となったことにより、「iPad Proは第2世代のApple Pencilに対応」「それ以外のiPadは第1世代のApple Pencilに対応」という、わかりやすい区分が成立するようになりました。これが敢えて崩れることがあるとすれば、将来的にiPad Proのミニ版が登場した時だけでしょう。
「第2世代のApple Pencilに対応していれば、いま所有しているiPad Proと共有できたのに」と考える人もいるかもしれませんが、仮にそうだったとしても1本のApple Pencilで2台をシームレスに行き来できるわけではなく、使うたびに接続先を変更しなくてはならないので、現実的にかなり面倒です。
現在の仕様でも、iPad Air(第3世代)やiPad(第6世代)とApple Pencilを共有することはできますが、こちらはさらに厄介で、使用するiPadのLightningポートに物理的に差し込んで毎回接続する作業が必要になります。つまりいずれにせよ、2台のiPadをそれぞれ一定以上の頻度で使うならば、Apple Pencilは2本あったほうがベターということになります。購入にあたって予算を組む際は、その点は注意しておいたほうがよさそうです。
第2世代でなく第1世代にのみ対応する理由は、いくつも考えられます。ひとつは、側面がフラットになっておらず、背面に向かって緩やかにカーブしている本製品では、第2世代のApple Pencilの機能のひとつである、iPadの側面に磁力で吸着させて充電する機能に対応できないことです。仮にこのギミックを活かすならばボディを再設計する必要があるわけで、コスト的に難しいのは容易に推測できます。
また、本製品およびiPad Air(第3世代)の登場と時を同じくして、従来の10.5インチiPad Proが終息となったことにより、「iPad Proは第2世代のApple Pencilに対応」「それ以外のiPadは第1世代のApple Pencilに対応」という、わかりやすい区分が成立するようになりました。これが敢えて崩れることがあるとすれば、将来的にiPad Proのミニ版が登場した時だけでしょう。
「第2世代のApple Pencilに対応していれば、いま所有しているiPad Proと共有できたのに」と考える人もいるかもしれませんが、仮にそうだったとしても1本のApple Pencilで2台をシームレスに行き来できるわけではなく、使うたびに接続先を変更しなくてはならないので、現実的にかなり面倒です。
現在の仕様でも、iPad Air(第3世代)やiPad(第6世代)とApple Pencilを共有することはできますが、こちらはさらに厄介で、使用するiPadのLightningポートに物理的に差し込んで毎回接続する作業が必要になります。つまりいずれにせよ、2台のiPadをそれぞれ一定以上の頻度で使うならば、Apple Pencilは2本あったほうがベターということになります。購入にあたって予算を組む際は、その点は注意しておいたほうがよさそうです。
なお第1世代のApple Pencilは、キャップ部のほか、Lightningケーブルからの充電に使うアダプタが紛失しやすいという欠点があります。外出先に持ち歩く手描きデバイスとして本製品を買うならば、いずれサードパーティメーカーから発売されるであろう、Apple Pencilを収納できる保護ケースを導入するのが、賢いやり方かもしれません。
と、運用面では一工夫が必要なものの、製品としては間違いなく「買い」である本製品。音量ボタンやカメラの位置がわずかに違っていることを除けば、従来モデルとデザインはまったく同じなので、新鮮味こそない反面、家族に黙ってこっそり買い替えてもバレにくい上、物珍しさゆえに子供などに触られることがないのも、利点(?)と言えるかもしれません。Apple Pencilとの組み合わせにとどまらず、高性能な汎用タブレットとして、人気を集めることは間違いなさそうです。
と、運用面では一工夫が必要なものの、製品としては間違いなく「買い」である本製品。音量ボタンやカメラの位置がわずかに違っていることを除けば、従来モデルとデザインはまったく同じなので、新鮮味こそない反面、家族に黙ってこっそり買い替えてもバレにくい上、物珍しさゆえに子供などに触られることがないのも、利点(?)と言えるかもしれません。Apple Pencilとの組み合わせにとどまらず、高性能な汎用タブレットとして、人気を集めることは間違いなさそうです。
[筆者プロフィール]
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn