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クリエイターのライフハック できる人の仕事術を盗め。


第13章 半農半広告クリエイター フジノケンのライフハック

後編 地方発、世界へ


半農半広告で、半田舎半東京。そんな仕事のやり方をしながら、見えてきた地方クリエイターの可能性について、前編と後編の2回でお伝えします。後編は地方の人や仕事と関わる中で感じてきた、地方の可能性。そして、地方クリエイターの可能性について書いてみようと思います。いま地方はちょっと元気がないかもしれませんが、見方を変えると地方にこそ未来があると思えるようになるんじゃないかな。

 


[プロフィール] フジノケン

1969年生まれ。((株))読売 広告社クリエイティブ局勤務を経て、2007年に独立し、豪雪で有名な新潟県津南町に移住。2008年10月、((株))4CYCLEを設立。コミュニ ケーション全般のクリエイティブに関わる。半農半広告なライフスタイルを実験中。主な受賞歴:ACC CM FESTIVALシルバー、アジア太平洋広告祭((アドフェスト))ブロンズ、東京インタラクティブアワード銅賞など。



 

地方発、世界へ


地方の可能性、そして地方クリエイターの可能性ということで、テーマは「地方発、世界へ」。
いきなり大きく出ましたね。でも、これは決して夢物語ではありません。11章の神酒さんの話にもあるようにyou tubeでの発信もそのひとつ。こつこつ作ったムービーがいきなり世界とダイレクトにつながるなんて。スゴい世の中です。他には、漆塗りの地ブランドが国際的な展示会に出展してアピール、なんて話も聞きますね。

you tubeにしろ、展示会にしろ、そういう国際的なプラットフォームにのせることで世界とつながる。これはおもしろい。考えるだけでワクワクします。

たとえば僕が関わっている青森の仕事を例にします。これはSNS、ユビキタス情報配信、予約決済などを組み合わせた地域活性ツールの開発で、僕はユーザーインターフェースのディレクションと、技術を使ったコンテンツの企画をしています。コンテンツということで、ひとつ例をあげると、ここで開発したツールは位置情報と予約決済を組み合わせれば、カーシェアリングにも応用可能です。で、それをカーフリーデーでデモンストレーションしたらノノ。

たとえそれがローカルなデモンストレーションであれ、カーフリーデーは世界的な活動ですから、東京や日本を越えて一気に世界にアピールできる可能性がでてきます。まだ実現していませんが、こんな感じで、地方発で世界にアピールする機会を狙っています。

もうひとつの例。僕の町で河岸段丘花火というイベントがあります。これは町中を舞台に花火を打ち上げるという壮大なイベントですが、これ申請すれば、ひょっとしてギネスブックに認められるかもしれません。そうすれば、ギネスも国際的なプラットフォームですから、小さな町が世界にアピールできることになります。



ネタは地方にある


では、世界に発信できるコンテンツのネタはどこにあるのでしょうか。

例えば、先日、僕は会津でワークショップをしたんですが、そのときに柿を使った事業アイデアが生まれました。ここで具体的なことは言えませんが、柿という、フツーに見ていたらただの木が見方を変えると資源になるんだな、と新鮮な驚きでした。

また、地元で地域活性に関わっている人と話していて、カーボンオフセットの話になったときに、なるほどと思ったのが、実は田舎には資源がたくさんあるという話。カーボンオフセットという視点で見ると、間伐されずに荒れ放題の里山も資源なんだから。

確かにその通りです。そういう資源をもった田舎が日本中にある。
そして田舎資源が、カーボンオフセットという仕組みを通して企業とつながったら......。

柿にしても、カーボンオフセットにしても、WEBの仕掛けや、デザインの力で、世界につながるネタになりそうな気がしてきます。

いままではネタは東京にありましたが、これからはむしろ、ネタは地方にあるんじゃないでしょうか。そのネタに気づくか気づかないか。そこが分かれ目なんですが.....。


21世紀の資源は緑と水と情報


考えようによっては、田舎ほど資源がいっぱいある。そうした田舎資源が、WEBを活用した仕組みや、デザインの力とつながることで世の中に広がっていく。そういうことをイメージしながらクリエイティブの仕事をすると、なかなか楽しいです。

21世紀の資源は緑と水と情報だという話があります。幸いなことに、水も緑も日本の田舎にはいっぱいあります。インターネットのおかげで東京と地方の情報格差も少なくなってきています。こう考えると、地方にこそ未来がある。そんな気がしてきませんか?

確かにいま、地方はちょっと元気がないかもしれません。でも、ちょっと見方を変えて、地方にこそ未来がある、そう考えてみてはどうでしょう。

せっかく地方にいるんだから、その地方の資源を活かして、未来につながる、社会にいいことをしたい。そして、クリエイターなんだから、社会にいいことを、カッコよく、楽しくしたい。そうやって世の中を巻き込んでいきたい。僕は、そう思っています。


津南の河岸段丘は日本一のスケールです。こんな景色を見ながら、ときどき頭をリセットしています
津南の河岸段丘は日本一のスケールです。こんな景色を見ながら、ときどき頭をリセットしています


町全体を使った河岸段丘花火。おそらく世界一。こんな感じで地方からクリエイティブを打ち上げましょう!
町全体を使った河岸段丘花火。おそらく世界一。こんな感じで地方からクリエイティブを打ち上げましょう!


長らくお楽しみ頂きましたライフハックですが、この後編をもって完結とさせていただきます。
今まで、ご愛読いただき、ありがとうございました!








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