2017年度のグッドデザイン賞を受賞した音楽を“味覚化”する装置「SQUEEZE MUSIC」
公益財団法人日本デザイン振興会は、2017年10月に「グッドデザイン賞」の2017年度の受賞結果を発表。全1403件が“よいデザイン”として評価されて受賞に至った。選ばれた商品やサービスにはさまざまなものが含まれるが、その中で注目したいプロダクトの1つに「SQUEEZE MUSIC」がある。この「SQUEEZE MUSIC」は、音楽を味覚に“変換”することができるジュークボックス型プロダクト。音楽を再生しながら、再生中の曲のムードをリアルタイムに分析して、その展開に合わせて各種のドリンクがミックスされる。
「SQUEEZE MUSIC」は、ハッカソンイベント「Music Hack Day」で2015年にグランプリを勝ち取ったプロダクト。その受賞時点ではモックアップの段階であったが、ハッカソン参加メンバーやメンバーが所属する株式会社乃村工藝社 NOMLAB、Ginger Design Studio、株式会社monopoの3社が主体となって実際にプロダクトのかたちになった。東京と福岡の2カ所に設置され、2017年度グッドデザイン賞の受賞では「新たな音楽の楽しみ方」の新規性が評価されている。
使用中には、さまざまな味のドリンクがミックスしていき、1曲が終わるとその曲のムードに基づいた味のミックスジュースが完成する仕組み。たとえば、明るくて元気な曲は爽やかで酸味が効いた味になり、バラードや失恋ソングは涙のようなしょっぱい味になる、といった具合だ。音楽と味がリンクしていることが分かるように、ドリンクが混ざり合う様子をブラックボックス化せずに、あえて全てを見せるようにデザインされていることも特徴。実際に動作させると、音楽の波形が表示され、ポンプが駆動し、透明なチューブの中をジュースが通っていく様子も楽しめる。