「2009年ネットサービスの“台風の目”は?──中編」

「2009年ネットサービスの“台風の目”は?──中編」
2009年1月13日
TEXT:小川 浩
(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)
激化が予想される「スマートフォン」戦争
『ケータイ白書2009』(インプレスR&D)によれば、2008年12月現在で日本で販売されているスマートフォンは、23機種である。いまだにウィルコムの「W-ZERO3」がアクティブな回線数ではトップシェアを堅持しているようであるが、2009年はこの状況に大きな変化がみられるかもしれない。
日本ではこれまで、スマートフォン市場=ビジネスコンシューマー市場であり、法人としての“固まり”でスマートフォンを大量購買するというケースは少なかった。この状況が、今年は大きく変わるかもしれないのである。
2008年は「iPhone 3G」がデビューし、世界中で実に1000万台を売り切り、その結果Appleは世界第三位のスマートフォンメーカーに躍進した。「Windows Mobile OS」を搭載したすべてのスマートフォンよりも、たった1機種のiPhoneのほうが多く売れているのである。

国内のスマートフォンブームの中興の祖「iPhone 3G」
http://www.apple.com/jp/iphone/
さらにT-MobileからついにGoogleの無償OSであるAndroidを搭載した「G1」が発売され、日本でもNTTドコモが採用を決定した。「Blackberry」を擁するRIMやノキアも、iPhoneやAndroidを真似てタッチパネルスクリーンを採用した新機種の発売に踏み切っている。

Androidを搭載した「T-Mobile G1」の紹介サイト
http://www.t-mobileg1.com/

日本での発売が待たれる「Blackberry Storm」は初のタッチパネル採用で話題に
http://www.blackberry.com/blackberrystorm/
そして2009年に入り、「CES2009」にて、スマートフォン市場を最初に作り出したパイオニアであるPalmが、自らの盛衰を賭けてまったく新しいモバイルOS「Palm webOS」と、それを搭載したスマートフォン「Palm Pre」を発表した。発売自体は2009年中とのことで、正式な日程は不明であるが、iPhoneのOSを超えるインテリジェントな機能を織り込んでおり、復活を期すPalmの切り札になることだろう。

Palm webOSを搭載した「Palm Pre」
http://www.palm.com/us/products/phones/pre/
日本ではドコモはBlackberryとAndroid OS搭載機、ソフトバンクはiPhone 3GとWindows Mobile機、そしてKDDIがHTC製のWindows Mobile機である「Touch Pro」ベースのスマートフォンを抱えることになるが、上述のPalm Preはどの陣営に組することになるのかも注目される。

Windows Mobile OSを搭載したKDDI初のスマートフォン「E30HT」は2009年春発売予定
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2008/0911c/
ケータイの売れ行きが芳しくない現状、かつ若年齢層の人口が減っていることから、ビジネスユースのスマートフォンは、キャリアにとっても企業向けのアプリケーション開発を請け負うSIerにとっても数少ないフロンティアのひとつである。
中堅・中小市場を中心に、各キャリアやマイクロソフトなどのモバイルOSベンダーが、この新しい市場で激しくしのぎを削ることになることは間違いがない。
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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。



