Facebookが日本国内でブレイクするための戦略



Facebookが日本国内でブレイクするための戦略 2010年10月4日
TEXT:小川 浩(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)

Facebookは2010年10月1日、就活学生向けの支援サービス「コネクションサーチ」を日本市場向けに公開した。Facebookで、自分が所属する学校や志望業界を登録すると、同じ業界を目指す学生やすでに内定している先輩、OB、OGを探せる。Facebookは(株)リクルートが運営する「リクナビ」と連携しており、メンバーはリクナビ2012の会員ページからもコネクションサーチの情報を閲覧できるようになっている。

米国内では「Yelp」という、ぐるなびに似た地域店舗のレビューサイトがあり、すでにFacebookのソーシャルグラフを活用するためのAPIを採用している。たとえばユーザーがYelpでイタリアンレストランの情報を読み、それが気に入ったときにLikeボタンをクリックできるようになっているが、その情報は自分のFacebook内のソーシャルグラフの情報と即座にリンクされる。すると何が起こるかというと、自分のFacebook上の友人達の評価も反映されるようになり、自分の趣味に合うかどうかの判断材料が瞬時に強化されるのだ。

日本において、Facebookはもちろん携帯電話対応をまず進めてくるだろうが、恐らく平行して対策が講じられるのは国内のこうした衣食住やクルマやスポーツ等の情報サイトとの連携の深化になるはずだ。

つまり、さまざまなリクナビとの連携に始まり、ぐるなびウォーカープラスぱどタウンカカクコムなどとの提携を一気に進めることになるだろう。

最初は単にLikeボタンの設置だけに見えるかもしれないが、Facebookが全力で進めるのは日本国内のソーシャルグラフの拡大であり、いつのまにか日本中のWebサイトがFacebookのソーシャルグラフを前提にパーソナライズされるような仕様へと変化していく。そういう未来像を彼らは明確に描いている。



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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。

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